第58章 冒険者割宿泊プラン、爆誕
第58章 冒険者割宿泊プラン、爆誕
偽装馬車路線が開業して数日。
エレニアとグレンを結ぶ移動が格段に便利になり、冒険者たちの往来はさらに増えていた。
すすむは、ギルド支部のロビーで冒険者たちの会話を聞きながら、ひとつの考えを思いついた。
「……これ、宿泊と食事と馬車をセットにしたら、もっと便利になるんじゃないか?」
エレニアの冒険者ギルドには、毎日のように依頼を受けに来る冒険者が集まる。
そこに“移動+宿泊+食事”のセットを置けば、需要は確実にある。
すすむはすぐにギルバートへ相談した。
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「ギルマス、エレニア側で宿泊プランを売り出すのはどうでしょう?」
「宿泊プラン?」
すすむは説明を続けた。
「エレニア ⇄ グレンの馬車運賃、
そしてグレンホテルの夕食と朝食をセットにして、
少し割引した“冒険者向けプラン”として販売するんです。」
ギルバートは腕を組み、しばらく考えたあと、口元を緩めた。
「……いいな。それは冒険者にとっても便利だ。
移動費と食費がまとまっていれば、計算もしやすい。」
「はい。ギルドで販売すれば、信頼性も高いですし。」
「よし、やってみよう。エレニアのギルドに話を通しておく。」
こうして、宿泊プランの準備が始まった。
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すすむは、どんなサービスを提供するべきか慎重に検討した。
・偽装馬車の往復運賃
・グレンホテルの夕食
・グレンホテルの朝食
・宿泊費(通常より少し割引)
「まずはシンプルに、これでいこう。」
冒険者向けに特化した“冒険者割プラン”として売り出すことにした。
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数日後。
エレニアの冒険者ギルドで、正式にプランが販売開始された。
受付に置かれた瞬間から、冒険者たちが群がる。
「おい、これ安くないか?」
「馬車代込みでこの値段!? しかも飯つき!」
「グレンホテルの料理、うまいって噂だぞ!」
「買う! 俺も買う!」
ギルド職員が慌てて追加のチラシを並べるほどの人気ぶりだった。
そして――
その日のうちに、すべて売り切れた。
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グレンホテルに戻ったすすむは、ギルバートからの報告を聞いて目を丸くした。
「……売り切れたんですか?」
「全部だ。追加分の問い合わせも来ている。」
すすむは思わず笑ってしまった。
「そんなに……需要があったんですね。」
「冒険者は合理的だ。
移動と食事と宿泊がまとめて手に入るなら、飛びつくさ。」
ギルバートは満足げに頷いた。
「これで、グレン村に来る冒険者はさらに増えるだろう。
ホテルも、ギルドも、村も潤う。」
すすむは胸の奥が熱くなるのを感じた。
「……よし。次は、もっと便利なプランも考えてみよう。」
こうして、グレンホテルと冒険者ギルドの提携は、
村の発展をさらに加速させることになった。
異世界の村に、またひとつ新しい風が吹き始めていた。




