第57章 異世界ホテルバス路線、始動
第57章 異世界ホテルバス路線、始動
グレンホテルとギルド支部の運営が軌道に乗り始めた頃、
すすむはふと胸の奥が熱くなるような感覚に包まれた。
「……レベルアップした?」
ステータス画面が淡く光り、数字が更新されていく。
■白谷すすむ LV6
体力:42
防御:36
素早さ:48
知力:46
魔力:1000
スキル
・建物LV4(消費5~200)
・車調達・車保守LV2(消費5~200)
・偽装LV3(消費20)
・通販LV3(消費5~100)
・収納LV4
・言語LV1
「魔力が……千?」
すすむは思わず二度見した。
宿泊者数が増えたことで、経験値が一気に入ったらしい。
グレンインとグレンホテルの宿泊者が合算されるのは、どうやら仕様のようだ。
だが、もっと気になる項目があった。
車調達・車保守LV2(消費5~200)
「……車調達?」
詳細を開くと、すすむは思わず声を上げた。
「ハイエース、シビリアン、ポンチョ……!?
いや、シビリアンってもう生産終了してたよな……?」
前の世界の車種がそのまま並んでいる。
どうやら、車保守スキルが進化し、“車を呼び出せる”ようになったらしい。
★★★★★
最近、エレニアのギルド本部とグレン村を行き来する冒険者や職員が増えていた。
徒歩だと片道半日。
馬車でも数時間かかる。
「移動手段があれば、もっと便利になるんだけどな……」
そこで、すすむの脳裏にひらめきが走った。
「そうだ……バスを運行しよう。」
★★★★★
すすむは試しに、最も乗車人数の多い“ポンチョ”を召喚してみた。
光が集まり、
現代日本の路線バス・ポンチョが姿を現す。
「……そのまま使うのは、さすがに無理だよな。」
異世界の村に、突然バスが走れば大騒ぎになる。
そこで、すすむは偽装スキルを発動した。
★★★★★
ポンチョの姿が淡い光に包まれ、
やがて――
馬4頭で引く、大型の18人乗り馬車
へと変化した。
外観は完全に馬車だが、内部はポンチョの快適さを残している。
揺れは少なく、座席も柔らかい。
「乗車人数は減るけど……これなら問題ない。」
すすむは満足げに頷いた。
★★★★★
すすむはギルド支部へ向かい、ギルマスのギルバートに相談した。
「エレニアとグレンを結ぶ定期馬車を運行したいんです。
冒険者や職員の移動が楽になりますし、村の発展にもつながります。」
ギルバートは腕を組み、馬車を見て目を見開いた。
「……これは……すごいな。
揺れも少ないし、座席も快適だ。
よし、ぜひやってくれ!」
御者はギルドから派遣してもらうことになり、
運行ルートと時刻もすぐに決まった。
★★★★★
こうして――
エレニア冒険者ギルド本部~グレンイン~グレンホテル
を結ぶ“バス(偽装馬車)路線”が誕生した。
当面は 1日1便。
だが、需要が増えれば増便も検討する予定だ。
レミーは目を輝かせた。
「すすむさん、これ……村の人も乗れるんですか?」
「もちろん。誰でも利用できるようにするよ。」
「すごい……本当に村が変わっていきますね!」
すすむは馬車を見上げながら、静かに微笑んだ。
「まだまだ、できることはあるさ。」
異世界の村に、また一つ“現代の便利さ”が加わった。
そして、すすむの第二の人生は、ますます忙しく、充実していくのだった。




