第56章 リーファコンテナと“魔物肉”の新名物
第56章 リーファコンテナと“魔物肉”の新名物
冒険者ギルド支部が正式に稼働を始めてから数日。
朝から晩まで、ギルドの裏手では慌ただしい声が響いていた。
「次、こっちの部位を運べ!」
「急げ、腐る前に処理するぞ!」
「解体班、手を止めるな!」
ダンジョンで討伐された魔物の肉や素材が、次々とギルドに運び込まれてくる。
解体班はフル稼働で、まさに戦場のような忙しさだった。
すすむは、少し離れた場所からその様子を見守っていた。
「……このままじゃ、危ないな。」
冬とはいえ、魔物の肉は普通の肉よりも腐敗が早い。
温度管理を怠れば、食中毒の危険性が高まる。
「ギルドの設備だけじゃ、限界がある……」
すすむは決断した。
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すすむは建物スキルを発動し、
リーファコンテナ(冷蔵・冷凍コンテナ)を二つ生成した。
コンテナは白い光に包まれ、
やがて巨大な金属の箱が地面に姿を現す。
「これが……冷蔵・冷凍設備付きのコンテナか。」
レミーが目を丸くする。
すすむは一つを冷凍設定、もう一つを冷蔵設定に調整した。
電源なしで稼働するのは、スキルによる“魔法仕様”のおかげだ。
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ギルド支部の前で、ギルマスとなったギルバートに説明を行う。
「ギルマス、これを使ってください。
魔物の肉は温度管理が重要です。
冷凍と冷蔵、用途に合わせて使い分けられます。」
ギルバートは目を見開いた。
「……すすむ殿、これは……本当に動くのか?」
「はい。魔法で稼働するので、電源は不要です。」
ギルバートはコンテナの扉を開け、中を確認する。
冷気がふわりと流れ出し、彼は思わず息を呑んだ。
「……これは使える。いや、使わない手はない!」
すぐに解体班を呼び寄せ、指示を飛ばす。
「今日から解体した肉は、すべてこのコンテナに保存しろ!
品質管理を徹底するぞ!」
解体班の面々も驚きながら、次々と魔物肉を運び込んでいく。
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作業が落ち着いた頃、ギルバートがすすむの前に立った。
「すすむ殿……本当に助かった。
この村のために、ここまでしてくれるとは。」
「いえ、村の安全と食の安心のためです。
ホテルの料理にも使いますしね。」
ギルバートは豪快に笑った。
「ははは! そうだな!
この肉がどう料理されるのか……楽しみにしているぞ!」
すすむも笑顔で頷いた。
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後日、冷凍保存された魔物肉を使って、
グレンホテルのレストランで新しい料理が提供され始めた。
「このステーキ……魔物の肉なのか?」
「うまい! 臭みが全然ない!」
「保存状態がいいから、味が違うんだな!」
冒険者たちは驚き、そして感動した。
こうして、
“リーファコンテナ熟成・魔物肉料理”
はグレンホテルの新たな名物として、村中に広まっていくことになる。
すすむは、コンテナ群を眺めながら静かに思った。
「……また一つ、村が便利になったな。」
異世界の村に、現代の知恵と魔法が融合していく。
その中心には、今日も一人のホテルマンがいた。




