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第56章 リーファコンテナと“魔物肉”の新名物

第56章 リーファコンテナと“魔物肉”の新名物


冒険者ギルド支部が正式に稼働を始めてから数日。

朝から晩まで、ギルドの裏手では慌ただしい声が響いていた。


「次、こっちの部位を運べ!」

「急げ、腐る前に処理するぞ!」

「解体班、手を止めるな!」


ダンジョンで討伐された魔物の肉や素材が、次々とギルドに運び込まれてくる。

解体班はフル稼働で、まさに戦場のような忙しさだった。


すすむは、少し離れた場所からその様子を見守っていた。


「……このままじゃ、危ないな。」


冬とはいえ、魔物の肉は普通の肉よりも腐敗が早い。

温度管理を怠れば、食中毒の危険性が高まる。


「ギルドの設備だけじゃ、限界がある……」


すすむは決断した。


★★★★★


すすむは建物スキルを発動し、

リーファコンテナ(冷蔵・冷凍コンテナ)を二つ生成した。


コンテナは白い光に包まれ、

やがて巨大な金属の箱が地面に姿を現す。


「これが……冷蔵・冷凍設備付きのコンテナか。」


レミーが目を丸くする。


すすむは一つを冷凍設定、もう一つを冷蔵設定に調整した。

電源なしで稼働するのは、スキルによる“魔法仕様”のおかげだ。


★★★★★


ギルド支部の前で、ギルマスとなったギルバートに説明を行う。


「ギルマス、これを使ってください。

魔物の肉は温度管理が重要です。

冷凍と冷蔵、用途に合わせて使い分けられます。」


ギルバートは目を見開いた。


「……すすむ殿、これは……本当に動くのか?」

「はい。魔法で稼働するので、電源は不要です。」


ギルバートはコンテナの扉を開け、中を確認する。

冷気がふわりと流れ出し、彼は思わず息を呑んだ。


「……これは使える。いや、使わない手はない!」


すぐに解体班を呼び寄せ、指示を飛ばす。


「今日から解体した肉は、すべてこのコンテナに保存しろ!

品質管理を徹底するぞ!」


解体班の面々も驚きながら、次々と魔物肉を運び込んでいく。


★★★★★


作業が落ち着いた頃、ギルバートがすすむの前に立った。


「すすむ殿……本当に助かった。

この村のために、ここまでしてくれるとは。」


「いえ、村の安全と食の安心のためです。

ホテルの料理にも使いますしね。」


ギルバートは豪快に笑った。


「ははは! そうだな!

この肉がどう料理されるのか……楽しみにしているぞ!」


すすむも笑顔で頷いた。


★★★★★


後日、冷凍保存された魔物肉を使って、

グレンホテルのレストランで新しい料理が提供され始めた。


「このステーキ……魔物の肉なのか?」

「うまい! 臭みが全然ない!」

「保存状態がいいから、味が違うんだな!」


冒険者たちは驚き、そして感動した。


こうして、

“リーファコンテナ熟成・魔物肉料理”

はグレンホテルの新たな名物として、村中に広まっていくことになる。


すすむは、コンテナ群を眺めながら静かに思った。


「……また一つ、村が便利になったな。」


異世界の村に、現代の知恵と魔法が融合していく。

その中心には、今日も一人のホテルマンがいた。


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