第52章 ギルド支部とレストラン計画
第52章 ギルド支部とレストラン計画
すすむは、建物スキルのレベルアップによって、
「12畳×3室構成・2階建て・通路付きプレハブ」
を建築できるようになっていた。
「これなら、ギルド支部の建物として十分使えるはずだ。」
そう判断したすすむは、冒険者ギルド用に 3棟、
そしてグレンホテル用に 1棟、合計4棟のプレハブを建築することにした。
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村の北側、コンテナホテルの隣に、
すすむは魔力の残量を確認しながら、ひとつずつプレハブを建築していく。
光が集まり、空気が震え、
ドンッ
という重い音とともに、二階建てのプレハブが姿を現す。
「……やっぱり、でかいな。」
レミーが感嘆の声を漏らす。
12畳の部屋が3つ、階段と通路でつながった二階建て構造。
ギルドの受付、応接室、会議室、資料室などに使える十分な広さだ。
これを三棟並べると、まるで小さな行政施設のような迫力があった。
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さらに、ホテル用のプレハブも建築する。
1階はレストランエリア。
2階はホテルの事務室を移設するためのスペースだ。
「これで、ホテルの受付業務も効率化できるし、
レストランがあれば、冒険者たちも喜ぶはずだ。」
すすむは胸を張った。
だが――
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「……レストランを作ったのはいいけど、
給仕とコックはどうするんだ?」
厨房設備は整えられる。
テーブルや椅子も通販スキルで調達できる。
しかし、肝心の“人”がいない。
グレンインのリリアたちは、すでにホテルのケータリングで手一杯だ。
新たにレストランを運営する余裕はない。
すすむは頭を抱え、村長ローガンに相談した。
「レストランはギルドも使う予定だろう?
なら、ギルドに相談してみてはどうだ?」
村長の提案に、すすむは頷いた。
「……確かに、ギルドなら人材がいるかもしれない。」
ちょうどその頃、エレニアから副ギルドマスターのギルバートが再び村を訪れていた。
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ギルバートは、見るからに歴戦の剣士といった風貌だった。
茶色の短髪に、鋭い目つき。
顎のひげが威圧感を増している。
しかし、話してみると――
「いやぁ、すまんすまん。急に押しかけてしまってな。」
腰が低い。
見た目とのギャップに、すすむは思わず笑ってしまった。
すすむはレストランの問題を説明した。
ギルバートは腕を組み、しばらく考えたあと、力強く頷いた。
「グレン村の宿の料理は、エレニアでも評判だ。
その味を学びたい者も多い。
……よし、ギルド食堂からコックを三名派遣しよう。」
「三名も……!?」
「うむ。そのうち一人は“修行”としてここで学ばせたい。
エレニアの食堂の質向上にもつながるからな。」
すすむは深く頭を下げた。
「ありがとうございます。本当に助かります。」
「気にするな。こちらも恩恵を受けるのだ。
ギルド支部ができれば、冒険者も増える。
村も、ギルドも、そしてお前のホテルも潤うだろう。」
ギルバートは豪快に笑った。
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こうして、エレニアのギルドからコック三名が派遣されることになった。
すすむは彼らが泊まるためのコンテナ客室を準備し、
寝具や備品を整えた。
「これで、いつ来ても大丈夫だな。」
レミーが嬉しそうに頷く。
「すすむさん、レストランができたら、
村の人も食べに来るんじゃないですか?」
「そうだね。村の新しい名物になるかもしれない。」
すすむは、完成したプレハブ群を見渡した。
ギルド支部。
ホテルのレストラン。
そして、村の未来。
すべてが、少しずつ形になっていく。
「よし……次は、レストランの内装だ。」
すすむは新たな作業に向けて、工具を手に取った。
異世界の村に、新しい風が吹こうとしていた。




