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第51章 ギルド支部建設の決断

第51章 ギルド支部建設の決断


グレンホテルが開業してから一週間。

朝の冷たい空気の中、すすむはロビーコンテナの前に立ち、従業員たちの動きを見守っていた。


アゼリーは笑顔で冒険者に朝食を手渡し、

ジータは手際よく客室の清掃を進め、

ジョシュアは荷物運びと設備点検を黙々とこなし、

セレストは受付で落ち着いた声で案内をしている。


「……みんな、本当に成長したな。」


最初は緊張で声も震えていた彼らが、今では堂々と仕事をこなしている。

すすむは胸の奥に温かいものを感じた。


★★★★★


グレンホテルでは、食事はグレンインからのケータリング形式だ。

夕食と朝食を、従業員が客室まで届ける。


「アゼリーさん、三号室の朝食、お願いします。」

「はい、すぐに!」


冒険者たちからの評判も上々で、

「温かい料理が部屋で食べられるなんて最高だ」

と喜びの声が多い。


ホテルとインの連携は、村全体の活気にもつながっていた。


★★★★★


そんなある日の昼下がり。

レミーが息を切らしながら駆け込んできた。


「すすむさん! 大ニュースが二つあります!」


「どうしたんだい、そんなに慌てて。」


レミーは指を二本立て、興奮気味に話し始めた。


★★★★★


グラントたちの冒険者チームが、

正式にダンジョン捜索チームに任命され、滞在期間をさらに二ヶ月延長する

というものだった。


「また二ヶ月……! 本当にありがたいね。」


すすむは素直に喜んだ。

彼らは宿の雰囲気を明るくしてくれるし、何より信頼できる常連客だ。


★★★★★


そして、もう一つは――


「この村に……冒険者ギルドの支部ができるそうです!」


「……え?」


すすむは思わず聞き返した。


「しかも、場所はグレンホテルの隣だって!」


驚きで言葉を失うすすむに、レミーは続けた。


「エレニアの副ギルドマスター、ギルバートさんが……

お忍びでグレンインに泊まってたらしくて……

このコンテナホテルを見て、村長さんに言ったんだって。」


『こういった魔法素材で、ギルド支部を作れないか?』


その言葉を聞いた瞬間、すすむの背筋に電流が走った。


★★★★★


夕方、村長ローガンがホテルを訪れ、すすむを呼び出した。


「……というわけでな。ギルド支部を建てるにあたり、

お主の“魔法建築”の力を借りたいのだ。」


村長は深く頭を下げた。


「村の未来のためにも、どうか力を貸してほしい。」


すすむはしばらく黙って考えた。


コンテナホテルの建設で、村は活気づいた。

冒険者が増え、商人が訪れ、村人たちの表情も明るくなった。


そして今度は、ギルド支部――

村の発展にとって、これ以上ないほどの大きな一歩だ。


すすむは静かに顔を上げた。


「……分かりました。

ギルド支部の建設、手伝わせてください。」


村長の顔がぱっと明るくなる。


「おお……! 本当にありがとう、すすむ殿!」


★★★★★


ホテルの運営だけでも忙しい。

だが、村の未来のためにできることがあるなら、すすむは迷わない。


「よし……次はギルド支部だ。」


胸の奥に、再び熱い情熱が灯る。


異世界での第二の人生は、

ホテルマンとしてだけでなく、

村の“建築士”としても動き出そうとしていた。


グレン村は、今まさに大きく変わろうとしている。

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