第51章 ギルド支部建設の決断
第51章 ギルド支部建設の決断
グレンホテルが開業してから一週間。
朝の冷たい空気の中、すすむはロビーコンテナの前に立ち、従業員たちの動きを見守っていた。
アゼリーは笑顔で冒険者に朝食を手渡し、
ジータは手際よく客室の清掃を進め、
ジョシュアは荷物運びと設備点検を黙々とこなし、
セレストは受付で落ち着いた声で案内をしている。
「……みんな、本当に成長したな。」
最初は緊張で声も震えていた彼らが、今では堂々と仕事をこなしている。
すすむは胸の奥に温かいものを感じた。
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グレンホテルでは、食事はグレンインからのケータリング形式だ。
夕食と朝食を、従業員が客室まで届ける。
「アゼリーさん、三号室の朝食、お願いします。」
「はい、すぐに!」
冒険者たちからの評判も上々で、
「温かい料理が部屋で食べられるなんて最高だ」
と喜びの声が多い。
ホテルとインの連携は、村全体の活気にもつながっていた。
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そんなある日の昼下がり。
レミーが息を切らしながら駆け込んできた。
「すすむさん! 大ニュースが二つあります!」
「どうしたんだい、そんなに慌てて。」
レミーは指を二本立て、興奮気味に話し始めた。
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グラントたちの冒険者チームが、
正式にダンジョン捜索チームに任命され、滞在期間をさらに二ヶ月延長する
というものだった。
「また二ヶ月……! 本当にありがたいね。」
すすむは素直に喜んだ。
彼らは宿の雰囲気を明るくしてくれるし、何より信頼できる常連客だ。
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そして、もう一つは――
「この村に……冒険者ギルドの支部ができるそうです!」
「……え?」
すすむは思わず聞き返した。
「しかも、場所はグレンホテルの隣だって!」
驚きで言葉を失うすすむに、レミーは続けた。
「エレニアの副ギルドマスター、ギルバートさんが……
お忍びでグレンインに泊まってたらしくて……
このコンテナホテルを見て、村長さんに言ったんだって。」
『こういった魔法素材で、ギルド支部を作れないか?』
その言葉を聞いた瞬間、すすむの背筋に電流が走った。
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夕方、村長ローガンがホテルを訪れ、すすむを呼び出した。
「……というわけでな。ギルド支部を建てるにあたり、
お主の“魔法建築”の力を借りたいのだ。」
村長は深く頭を下げた。
「村の未来のためにも、どうか力を貸してほしい。」
すすむはしばらく黙って考えた。
コンテナホテルの建設で、村は活気づいた。
冒険者が増え、商人が訪れ、村人たちの表情も明るくなった。
そして今度は、ギルド支部――
村の発展にとって、これ以上ないほどの大きな一歩だ。
すすむは静かに顔を上げた。
「……分かりました。
ギルド支部の建設、手伝わせてください。」
村長の顔がぱっと明るくなる。
「おお……! 本当にありがとう、すすむ殿!」
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ホテルの運営だけでも忙しい。
だが、村の未来のためにできることがあるなら、すすむは迷わない。
「よし……次はギルド支部だ。」
胸の奥に、再び熱い情熱が灯る。
異世界での第二の人生は、
ホテルマンとしてだけでなく、
村の“建築士”としても動き出そうとしていた。
グレン村は、今まさに大きく変わろうとしている。




