第47章 レベルアップと、村を救う新客室計画
第47章 レベルアップと、村を救う新客室計画
すすむが離れへ引っ越した翌朝。
まだ陽が昇りきらない時間、すすむはふと胸の奥に温かい波が広がるのを感じた。
「……ん? なんだ、この感覚は……」
次の瞬間、視界の端に淡い光が浮かび、ステータス画面が開いた。
白谷すすむ LV5
体力:38
防御:32
素早さ:44
知力:40
魔力:500
スキル
・建物LV4(消費5~100)
・車保守LV2(消費5~10)
・偽装LV2(消費5)
・通販LV3(消費5~100)
・収納LV2
・言語LV1
「……魔力、五百?」
思わず二度見した。
昨日までの自分とは桁が違う。
建物、通販、収納……主要スキルが軒並みレベルアップしている。
「これは……かなりのことができるようになったな。」
だが、ゆっくり確認している余裕はなかった。
★★★★★
宿の玄関を開けた瞬間、すすむは目を丸くした。
「……人、多すぎないか?」
食堂には冒険者がぎっしり。
廊下にも荷物が並び、受付には宿泊希望者の列ができている。
理由はすぐに分かった。
グラントたちが村長の依頼で周辺を調査していた際、
村から歩いて30分の場所に新しいダンジョンを発見したのだ。
その報告を受けたエレニアの冒険者ギルドは、
調査隊を次々と派遣してきた。
結果――
宿は連日満室。
「すみません、今日も空き部屋は……」
「えっ、また満室かよ!」
「村長の家も開放してるって聞いたぞ!」
「それでも足りないらしい!」
そんな声が飛び交っている。
すすむは頭を抱えた。
「これじゃあ、改装どころじゃないな……」
だが、改装済みの部屋に泊まった客からは絶賛の声が続出している。
「暖かい!」
「ぐっすり眠れた!」
「またこの部屋に泊まりたい!」
その声を聞くたび、すすむは思う。
――やっぱり、改装は続けたい。
しかし、現実は部屋が足りない。
宿泊希望者は増える一方で、村長の家を開放しても追いつかない。
「どうしたものか……」
★★★★★
そんな中、すすむはステータス画面を見返し、ふと気づいた。
「……あれ? 建物LV4で、これ……作れるのか?」
そこには、見慣れない建材の一覧があった。
・コンテナユニット(客室仕様)
魔力消費:100
「……コンテナ客室だと?」
現代日本で見慣れた、あの四角い鉄の箱。
だが、スキルで生成できるのは、内部が客室仕様に改装された“宿泊ユニット”だ。
ベッド、照明、簡易暖房、断熱材まで完備。
置くだけで、すぐに使える。
「これがあれば……部屋不足を解消できる!」
すすむは拳を握った。
だが、問題がひとつ。
「……置く場所がないんだよな。」
宿の敷地は限られている。
裏庭も荷物置き場として使っており、コンテナを置くスペースはない。
「となると……村長さんに相談するしかないか。」
すすむはエプロンを外し、村長の家へ向かった。
★★★★★
村長ローガンは、冒険者の対応で忙しくしていたが、すすむを見るとすぐに席を立った。
「おお、すすむ殿。今日も宿は大変だろう?」
「はい……そこで、相談がありまして。」
すすむは、コンテナ客室のことを説明した。
魔力で生成できること、内部が宿泊用に整っていること、
そして、村の宿泊不足を解消できる可能性があること。
ローガンは腕を組み、真剣に聞いていた。
「……そんな便利なものが作れるのか。
しかし、置く場所が必要だな。」
「はい。村の空き地を少しお借りできれば……」
ローガンはしばらく考え、やがて頷いた。
「村の北側に、昔使っていた畑がある。
今は荒れておるが、整地すれば十分に置けるだろう。
好きに使ってくれ。」
「本当ですか!?」
「もちろんだ。村のためにもなる。
むしろ、こちらからお願いしたいくらいだ。」
すすむは深く頭を下げた。
「ありがとうございます。すぐに準備します。」
こうして、村の“特需”に対応するための新たな計画が動き出した。
すすむは宿へ戻りながら、胸の高鳴りを抑えられなかった。
「よし……コンテナ客室、作ってみるか。」
村の危機を救うのは、
異世界に転生した一人のホテルマンの“魔法の建築力”だった。




