四大大陸編、最終章ヴァルハラ・レギオン大陸編 『終焉の戦乙女と、終わらせない九つの誓い』
ステータス画面が淡く光った。
【新依頼受注:ヴァルハラ・レギオン大陸「アースガルド・ヴァルハラ」からの救難信号】
【内容:終末戦争再起動・全神域崩壊危機】
【最優先級】
「にゃは☆ 次はヴァルハラだって! 神様だらけのとこだよね!?」
「……神々……ちょっと怖いけど、蒼がいるから平気」
「ふん、伝承に出てくる場所ね。行く価値はあるわ」
「……神の炎なら、私にもわかるかも。みんなと一緒なら」
俺は四人の手を握り直した。
「行くぞ」
ミャウナが女神の輪を回し、五人でぎゅっとくっついて転移。
星の海を泳ぐような眩暈の後、
轟音と共に着地。
ヴァルハラ・レギオン大陸
終末の戦場「アースガルド・ヴァルハラ」
空は雷雲、大地は割れ、黄金と黒の軍勢が無限に激突。
神獣の咆哮、雷、氷、炎、風が荒れ狂う、まさに世界の終わり。
中央に立つ戦乙女。
純白の軍装、金と黒のマント。
背に十二枚の神聖な翼。
瞳は黄金と漆黒が混じり、
手に持つ大剣「レーヴァテイン」は世界を裂く光を放つ。
「終焉の戦乙女 スカディス・ヴァルキュリア」
彼女は静かに告げた。
「……私は全てを終わらせる。
これ以上、誰も泣かなくていいように」
大剣が振り上げられ、世界が白く染まる。
広場の端、まだ立っている四人の女。
金髪に雷を纏う戦士 ブリジッタ・トール
黒髪に氷の魔術師 ヘル・ロキ
白髪に癒しの聖女 フレイヤ・ヴァン
紅髪双剣の狂戦士 シグルド・ブリュンヒルデ
頭に表示。
【ヴァルハラの誓約システム・パートナー候補検知】
【ブリジッタ・トール/ヘル・ロキ/フレイヤ・ヴァン/シグルド・ブリュンヒルデ】
【キスにより一時的に固有スキル借用可能(上限15000)】
【完全借用には信頼度20000が必要】
ブリジッタが雷を鳴らして笑う。
「お前が終わりを止めるって言うなら、雷全部貸してやるよ!」
ヘルが氷の瞳で微笑み、
「私の氷は全てを凍らせてきた。でも、お前となら……溶かせる」
フレイヤが優しく手を差し伸べて、
「癒しの光を戦いに使うのは初めて……でも、あなたとなら」
シグルドが双剣を振り回して叫ぶ。
「狂気も愛も全部ぶつける! 覚悟しな!!」
「……力を貸してくれ」
順番に唇を重ねる。
ブリジッタ → 【雷神の裁き 一時借用】
ヘル → 【永劫の氷結 一時借用】
フレイヤ → 【生命の輪廻 一時借用】
シグルド → 【狂戦士の血潮 一時借用】
四つの新しい力が体を駆け巡る。
雷が空を裂き、氷が軍勢を封じ、光が味方を蘇生し、狂気が敵を蹴散らす。
スカディスが初めて動揺。
「四柱の神域の力を……同時に!?」
ミャウナ、リナ、セレリア、フレイアが永遠∞を全力で注ぎ、
八人の共鳴で無限魔力が爆発。
スカディスが剣を下ろし、涙を零した。
「……私も……生きたかった……」
真の誓約解放。
【ヴァルハラの誓約システム・真・永遠解放】
【全スキル完全借用】
【信頼度:真・永遠∞】
軍勢が消え、空が晴れ、大地が静まる。
九人で手をつなぎ、空を見上げた。
「終わりじゃない。これからだ」
ヴァルハラ・レギオンの空に、九色の虹がかかった。
ヴァルハラ・レギオン大陸編 完
(次章:転生者編へ)




