ソニアのPTSD
寸胴鍋いっぱいの豚汁が出来上がり、難民達に配る。村人達はユキの指示でケガした人達の治療に当たっていた。配り終わると大体この村と同じくらいの50人くらいが来ていた。ボコとバタの姿を見て最初はビビっていたらしいが村人達の説得と二人の行動を見て安心したようだ。
「ユーシ!すぐにこっちに来てくれ!」
「ジュン?どないしたん?」
「ソニアが……過去を思い出したようで物凄く怯えてて。」
「わかった!すぐ行くわ。婆ちゃん、ごめんな。なるべく早く戻るから。」
「ここはいいから、しっかりやってきなさいな。」
励ましを貰い、すぐにソニアの元へ向かう。おそらくフラッシュバックだろうがとりあえず安心できるようにせんと。
緊張が走るが悟らせないように深呼吸と大丈夫、余裕余裕と自己暗示をかけて挑む。
ソニアは人気のない家の裏でうずくまって震えていた。
「ソニア、俺が来たから大丈夫や。」
諭すようにゆっくりと声掛けをして深圧ブランケットをかけて少しきつめにハグをして体により圧力をかける。そして背中をゆっくりとポンポンと叩いた。
「いきなりでビックリしたな。自分のタイミングでええからゆっくり深呼吸してみ。」
基本的には深追いせず、出来る事は限られているのでまずは落ち着くように促す。ほんとはハグもトラウマ刺激になるのでやらない方がいいのだろうが錯乱して暴れるよりはマシと判断した。
しばらくして体の震えを治まったので力を緩めて圧力を弱める。
「少しは落ち着いたか?」
ソニアはこくんと頷いた。ソニアが話せるなら聞こうと思ってたが言語聴覚士でもないから発音の指導は出来へんし、俺はタブレットで書いてもらう事にした。
ジュンも傍に来て
「ソニー。怖い思いをさせてごめんよ。」
と首に手を回して謝る。ソニアは首を振った。タブレットに
わたしは じゅんさんと であえて よかった
わたしのほうが めいわくをかけて ごめんなさい
とタブレットに書いて泣いていた。
「それはしゃーない。いっぱい怖い思いをしてきたんやろ。だからええねん。迷惑なんかかけても。」
「そうだよ。私らはソニーが笑ってくれればそれでいいんだ。」
二人して説得し、泣き止んだ時にとりあえずうちに行く事にして俺はソニアをおぶっていった。
二人にもハーブティーを入れて一息を入れる。
「もし、言いたくないなら言わんでええんやけどジュンさんと出会う前に何があったが教えてくれへん?」
俺は本来ならまずは聞かない方が良い事を敢えて聞いた。
タイミング的に時間が経つと聞けずに終わりそうやし、元気になってからだと教えてくれへんかも、と思ったからリスクを取ってでも聞くべきと思った。何かあれば全力でフォローするつもりだったが、ソニアは何か考えながらか思い出しながらかゆっくりとタブレットに書いていった。




