勇者の帰還
寒さもだいぶきつくなってきたころ、元の世界では年末の空気というかそんな感じの寒さになった時に大勢の来客があった。
村人が慌てて村長の所に来た。
「た、大変です!ドワーフ砦が陥落したと、難民が来てます!」
え?勇者が行った所やろ。なんでや?
「皆の者に負傷者がいたら手当をするように伝えてくれ。そしてボコとバタには土魔法で仮設の家を作るように頼んでくれ。」
村長が指示を出し、村人が伝えに出ていくと入れ替わりに天王寺達が入ってきた。
「すみません!どうか助けてくれませんか!?」
阿倍野が言う。
「おぅわ!天王寺えらいボロボロやないか!いったい何があってん!?」
天王寺は気を失っていたのか返事はなかった。血が出ていたのですぐに目を逸らし、ソフィアに手当てを頼んでベッドに連れて行ってもらった。
俺は二人に落ち着けるハーブティーとアラウネさんの蜜を用意してとりあえず飲んでもらってから事の経緯を説明してもらった。
「最初はドワーフ砦に魔物の襲撃があり、順調に倒していったのですが、日に日に攻撃が激しくなり、一人の敵に大ダメージを追わされ、後はもう放棄してここまでなんとか戻ってきたんです。」
「て、天王寺はあの、その、ゴブリン退治の後から様子がおかしくてドワーフ砦の時に、何ていうか……力に溺れていたような。そこを何か精神攻撃をされて一気に形勢逆転になったんです。」
天王寺、野田が説明してくれた。
「えぇ、一人にやられたって……魔王でもやってきたんか?」
「い、いや、介虐士のドルガーって名乗ってた。」
ライフブレイカー?なんかめっちゃかっこええ職業っぽく聞こえるな。なんて思ってたが
「あの人は、私たちが逃げる時にまともに動けない高齢者たちを次々と殺したようで……。」
えっぐ!!マジかよ。なんでまたそんなことを。
「僕たちが殿を務めて何とかここまで、来れて……。あいつらも途中で諦めたのか姿はなくて。」
その状況やとドワーフ砦はもう絶望的やろうな。
「わかった。君らもかなり肉体的にも精神的にも疲れてるやろうしゆっくり休んどき。」
俺はガルドに頼んで空き部屋を借りて二人を部屋に案内し、休むように促す。PTSTにならなきゃええけど様子を見るか。
とりあえず俺は、治療は血が無理なんで料理でなんとか振舞うことにした。お手伝いの婆ちゃんも手伝ってくれた。具材を切るのめっちゃ早いし助かる。やっぱ長年料理してる人は凄いな。
体が温まる物が良いと思い、豚汁もどきを作る事にしたが豚汁をとんじるというかぶたじると言うかで意見が分かれそうだが俺はとんじる派だ。どうでもええけど。
PTST いわゆるトラウマという奴で治療は正直医者の役目やから解らん。ってか大半が医者の判断で看護、介護がサポートする感じやからなぁ。基本的にセルフケアで厳しい事は専門家に相談が一番やね。




