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アルケニーとの交渉

 俺たちは蜘蛛の糸で木の上に連れてこられた。顔がベタベタする。

「私達の住処へ、ようこそおいでやす。」

 京都弁かよ!って事はさっきの元気が~ってうるさくしすぎたって事か。

「初めまして。俺はユーシって言います。先ほどはうるさくしてすんません。」

「いえいえ、元気で羨ましい感じでしたわ。お茶でもどないどす?」

「いやいや、お構いなく。要件が終わったらすぐ帰るんで大丈夫ですわ。」

 俺は少し焦りながら返答し、バタに耳打ちした。

「え?アルケニーってこういう話し方なん?」

「そうですよ。なんか女王様って感じですよね。」

 バタはニコニコしながら答えた。えぇ?笑顔でおれるってすげえな。アルケニーは値踏みするようにこちらを見ていた。

「それで、要件とは何です?」

「えぇ、実はこのバタの服の布があなた方の作った布と聞いて、こんないい布できるのすげえってなり、ぜひうちの村でも欲しいと思ってきたんですわ。」

 ちょっとよいしょしながら交渉に入る。

「あら?中々ええ審美眼をお持ちどすなぁ。せやねぇ、うちの作る布と何を引き換えにしてくれるんやす?」

「まずは、お近づきのしるしにアラウネの蜜を用意しました。」

「ふーん、良い心がけどすなぁ。」

 俺は緊張しながらも蜜瓶を渡す。アルケニーは受け取り、蜜を少し舐めた。ん?手が微妙に震えてる?

「これはなんという……懐かしさを感じるママの味。」

 アルケニーは小声で言ったが聞こえてしまった。そこはママの味なんや。ってか共通なんかい。

「それで、物々交換という事で布の染料とパワーストーンではダメですかね?」

「はぁ~、ユーシさんたらいけずやわぁ。こんなええもんまで持ってきてくれるん。お利口さんやねぇ。」

 あれ?なんか様子が変やな?少し砕けた感じになってきた?

「せやけど、妾はそれよりこちらの方がよろしいなぁ。ここまでの物は中々お目にかからへん品物どすえ。」

 アルケニーは少しフラフラした感じで何かを持ってきた。手には大きめの宝石が見事にカットされて輝きを放っていた。

「流石、一流の布を作るお方は一流のええ品物もってますなぁ。いやぁ、俺らの持ってきたもんがしょぼくて申し訳ないなぁ。」

 嫌味かこの野郎!って野郎じゃないな。そこはどうでもええか。こういう裏読みは空気読みスキルとワ〇ャンラ〇ド のしりとりで鍛えられたからな。

「あぁ~。そこは気にせんでおくれやす。この蜜だけでお気持ちはよろしおす。」

 アルケニーはそう言いながらも少し暗い顔をしたのを俺は見逃さなかった。

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