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先入観と偏見と

「おわっ!ごめんやで。」

 俺は片手を胸の前に持ってきてごめんねポーズをして謝る。

「ふん、しょせん平民。謝り方の礼儀も知らぬとはな。」

 男は花を鳴らし、見下した態度をとった。服装から見るにおそらく貴族だろうな。あからさまなゴージャスな装いやし、言い方も明らかな傲慢さやし。

「あれ~?俺は礼儀を知らんけど謝ったのにそっちは謝らないとか神にでもなったつもりなんかな?それとも謝ったら死ぬ病気なんか?おぅおぅ、頭は大丈夫か?」

 ちょっとムカついたので煽ると、男はプルプルと震えていた。

「誰かこの下賤な者をひっ捕らえろ!私にたてついた事を後悔させてやるわ。謝罪した所で貴様の価値はゴミみたいな物だろうがな。」

 その言葉を聞いた瞬間、俺はキレかかったが使えるかわからないが息を大きく吸い、【アンガーコントロール】を使用した。

「あぁん!お前程度に俺の価値が解ってたまるか。え?何?お互いが起こしたアクシデントやのに他の奴巻き込むんか!ダッサ、ええとこのボンボンやから甘やかされてんな。どうせ親が稼いだ財産しゃぶってやりたい放題で自分独りで何もできへんのごまかしてるだけやろ。ちゃうんか、ボケぇ!!」

 俺はゆっくりと6秒を数えつつ、息を吐き切る。その間、脳内で鬱憤を晴らすがの如く、怒鳴りつけて怒りを鎮めた。うん、やっぱあまり使えねえな。

 男は拳を上げ、殴りかかろうとしていた。

「ちょっと、待ってください。ここで争いはご法度です。」

 俺はハッとなり、我に返る。受付嬢が駆け付け間に入り止めた。

 いかんいかん。俺は戦いはできないのに危うくケンカになるところだった。

「誠に申し訳ありません。(主にアニメや漫画の)貴族にいい思いをしなかったので。貴方様がそうでないと思いましたがつい口が滑りました。こちらに来たばかりで貴方様の名を知らない田舎民で申し訳ありませんでした。」

「い、いや、こちらこそ非礼を詫びよう。私はこの町に住むユーグリット家の長男、バルドと申します。」

 男は態度が変わったことに引いたのか後ずさっていた。

 俺は再び受付嬢に謝罪とお礼を伝え、バルドにはお辞儀をしてその場を後にした。


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