アラウネの蜜はママの味
「あら~、あらあら~。こんな所で人間さんに逢うなんて思いませんでした~。」
おっとりした話し方に甘い声で少し驚いたが……って声も甘いんか~い!これはアレやな。年上お姉さんのママボイスってところか。アラウネが何歳かは知らんけど。
「突然ごめんやで。実はあなたの蜜を分けて頂きたいんやけど。」
「わたしのですか~。」
癒されるというかバブ味に落ちるというか。なんか変な感じになるがずっと聞いていたらイラっと来るかもしれへんな。
「ええ、実はアルケニーの布の生地が欲しくて、その為にあなたの蜜が欲しいんやけど、あかんかな?」
「う~ん、そうですね~。でしたら何か面白い話をしてくれませんか~?」
「お、おもろい話?」
無茶ぶりやないか!関西人みんな鉄板ネタ持ってたり面白いと思ったら大間違いやからな。そして別に人の話にオチなんて求めてへんから。笑いに厳しいとかないからな。関東とノリが違うのには違和感あったけど!
「そうです~。わたしは~。生まれてから一度もここから動けないので~。色んな人や動物たちとお話しするのが好きなんですよ~。」
「そうなんや。それは凄くさみしいな。」
アラウネがそう思ってるかは解らんけど、自分が同じ境遇なら退屈でそう思ってまうわ。
俺はおもろいか解らんけど村での話をした。
「そうなんですね~。スライムさんやゴブリンさんも一緒に住んでるんですね~。いいですね~。羨ましいです~。」
「なら、俺達の村に住むか?一度見てみて気に入ったら住んでみてあかんかったらここに戻ってくるし。」
「まぁまぁ、良いんですか~。わたし、嬉しいです~。」
アラウネはあ、そうだと言わんばかりに胸を差し出した。
「ちょっと待てぇ!」
思わずバラエティ番組の突っ込みをしてしまう。
「蜜が欲しいんですよね~?ですからこうして準備をして~……」
「嘘やろ!そこから蜜出んの!?普通、花の奥とかじゃないん?」
「普通の植物はそうですね~。でも~、わたしたちはここからなんですよ~。何か入れ物ありますか~?」
俺は照れながらも空の瓶を渡した。まさかの搾乳ならぬ搾蜜かい!でも、なんかエロさは感じず、むしろ慈悲に満ちた行為に見えたのだった。




