苦手なものは誰でもあるよね
こっそり王に向けても使用してみた。
……うわっ!真っ黒やんけ。光すら吸収するぐらいの黒さ。ブラックホールか!腹黒いなんて可愛いもんっぽいぐらい黒いな。ってかここまで黒かったらそもそも詳しく聞いてないけど魔王は本当に悪なんか?そんな疑問すら湧いてくるわ。
「では、三人はこちらへ。」
王の指示で神官が案内する。三人はそれぞれこちらを見ていた。
「あー、なんか残念でしたね。」
天王寺が声をかけてきた。
「せやなぁ。まぁ何とかなるやろ?あっ、別にため口でええよ。敬語は気を遣うやろ。」
「わかった。魔王討伐は俺らで何とかするんで元の世界に帰れるまでお互い頑張ろ。」
お互い握手して別れた。大抵のなろうなら彼が無双するやろうな。それなら俺は俺で仕事を探して暮らすか。
俺は神官に説明を受け、路銀をもらい神殿を後にした。
街へ出ると早速冒険者ギルドへ登録をしに行った。三人は先ほどの神殿で登録するらしい。三人は知り合いなんやろうか?今度会ったら聞いてみるか。
ギルド内は閑散としていた。受付でおなじみのシステムを聞く。登録用紙に名前を日本語で書いたが都合よくここの文字に変わった。
「では、このカードに血を一滴たらしてください。」
「え!?血ぃたらすんですか?」
俺は血が苦手だった。採血も顔を背けるほど見るのが嫌だった。
「めっちゃ申し訳ないんやけど。……手伝ってくれへん?自分ではできへんから。」
受付嬢が苦笑いしていたが自分でやるのは無理やって!
何とかギルドカードを作り登録が終わった。
「ホンマありがとやで~。助かったわ~。」
感謝とお礼を言って介護系の依頼がないか聞いた。




