ソニアのリハビリ
いよいよ、ゴブリン討伐の日になった。パーティーは勇者パーティーにソニアと俺。ソフィアはガルドの介護の為に残ってもらった。介護に関してはもうパニックを起こすことはなくなった。
「大丈夫か?ソニア。無理はしなくてええけど頼りにすんで~。」
俺はポンとソニアの方を叩いて発破をかけた。ソニアは緊張していたが何とか頷く。補聴器も自分なりに調節して一番聞き心地が良いようにセットしていた。
森に入り、とりあえず村人がゴブリンを見かけたポイントに向かう。
「しかし、天王寺も大変やったんやな。毎日学業に訓練とか。」
ただ、気に食わないのはわざわざ違う世界の人間に重要な事をさせようとする魂胆が腹立つな。
「いえいえ、これも見聞を広める為と思えばなんのそのだよ。それに元の世界では味わえない経験になるしね。」
たまに年相応とは思えない考え方するなぁ。建前かもせえへんけど。
「それに私達なら上手い事いくと元の世界に戻れるらしいです。」
「そ、その為に辛いことも耐えて、全て悪逆非道の魔王にぶつけてやるんだ。」
阿倍野、野田が話を続ける。……野田。俺は多分初めてお前の声を聞いた気がする。気弱なセリフなのに声がかっこええのは何のギャップやねん。
なんて話をしていたらポイントに着く。それまでも一応ソニアが警戒してくれていたが立ち止まり、耳に神経を集中して周りの音を聴いていた。俺たちは黙って様子を見る。
「……何人かの話声と足音が聞こえます。あ、あのあちらの方から。」
「ようやった。ソニア。ここからは慎重に行こ。今度は天王寺たちに頼りにするで。」
俺はソニアの頭を軽く撫でて天王寺たちに目で合図を送り、慎重に声のすると言っていた方へ向かった。




