ゴブリンの恐怖
半年ほど経った頃くらいだろうか。どうやらこの世界にも四季はあるようで今は秋口になり、少し肌寒い季節になっていた。
そんなある日、村人がガルドの所に慌ててくる。ガルドはみんなを集め、話をした。
「狩りに出た村人の話によるとどうやらゴブリンが再び、この村を襲おうと進軍しているようじゃ。」
おいおい、マジかよ。やっと食料関連がレールに乗って次は住処の事を考えようと思ってたところやのに。
「あの、俺戦闘能力全くないんやけどどうしたらええの?」
ステータスで見た攻撃力1が戦闘面ではどうしても足を引っ張る。
「女性、子供達の非難を頼むのじゃ。何、ゴブリン退治はワシらの仕事じゃ。安心せえ。」
「でも、ケガだけはせんといてよ。俺、血~も見るのもあかんねん。」
「わかったとるよ。まかせんしゃい。」
ガルドはポンと胸を叩いた。
カーン、カーンと鐘の音が響いた。
「ユーシ、皆を任せるぞい。」
「あいよ。」
俺は自己暗示で大丈夫、できる。と何度も鼓舞して行動に起こす。ソフィアも同じく深呼吸で状況を整理して落ち着くようにしていた。
俺とソフィアは手分けをして女性・子供たちの誘導をして集め、ガルドの家に籠ってもらう。一番頑丈な建物が今の所、ガルドの集合住宅であり、食物庫もあるので何とかなる。ただ、こういう状況を危険予測で先に考えて避難方法の情報共有をしておけばと思っていた。
誘導している間にゴブリン達が襲ってきたのだろう。喧噪が聞こえてきた。金属がぶつかりあう音も聞こえる。
俺は急いで見回りをする。その時、1体のゴブリンと遭遇してしまった。
「やべえ、見つかった!」
走り回ったせいで少し息が上がっている。逃げるのは厳しいので動きを注視しながら観察をする。
ゴブリンは手斧のような物を持っており、身長は140cmくらいだろうか。見た目は元いた通りのよく見る醜い顔をしていた。ゴブリンの方もこちらの出方をうかがっているのかすぐには襲い掛かってこなかったがじりじりと俺を追い詰めようと近づいてきた。




