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「えと、初めまして。私は近くの村から来た勇司というものです。実は畑の状態が悪いので腐葉土を頂きたくこちらに参ったしだいで御座います。」

 はぁ~。敬語はいつまで経っても慣れへんな。

 エルフたちは何やらヒソヒソと話していた。それが終わると真正面にいた高齢者らしきエルフが口を開く。

「お主は名前からして稀人(まれびと)か?」

 稀人?転生者とかそんな感じか?

「えぇと、稀人とは?」

 念の為、間違っていたら困るので確認する。確認作業は大事だ。特に病院勤務で介助していた時はそう思った。それ以降、他の現場でも解らなかったり、一応【オウム返し】で確認してきた。今回もそうするべきだと思った。


 エルフの話によるとやはり転生者という意味が一番近い。まぁ、俺は転移者だがそれはどうでもいいか。俺は今までのいきさつを話す。

「なるほど、介福士としてこの世界で生きていく事になった、とな。なら、腐葉土を渡す代わりにお主の力を見せてくれぬか?」

 えぇ、めんどくさ……。否、仕方ないか。

「介福士としては自分はまだまだ若輩者の未熟ですが私でよければお使いください。」

「では、ソフィアよ。彼らの元へ。勇司よ。とりあえず私たちは其方を歓迎しよう。何かあればソフィアに聞いてくれ。」

 ソフィアと呼ばれたエルフは先ほど案内してくれた女性だった。連れてきたのだから面倒を見ろという事だろうな。

 俺はソフィアに従い、部屋にいたエルフ達に一瞥(いちべつ)をして部屋を出た。

【オウム返し】 ぶっちゃけ話が聞き取れない。辛うじて単語が聞き取れた時にその言葉を返す事で相手は話を聞いてくれいるという安心感を得られる方法。高齢者の言葉を聞き取るのは大変なので普段から使える。後は、重要そうな言葉を聞いた時に確認で使うと有効である。多分。

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