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再び森の中へ

 再び荷車を引きながら森の中に入りしばらくするとどこからか声が聞こえてきた。

「人の子よ、それ以上輪が領域に入るでない。」

 ひょっとしてエルフの人か?姿は見えないが口調が人とは違う。

「突然の訪問で迷惑をかけてすまない。俺は勇司というものだ。この森の腐葉土を分けていただきたく参った次第である。」

 俺は関西弁を使わず、敢えて言葉遣いを変えて相手に失礼がないように話しかけた。

「ほぅ。人の子でも礼儀を弁える者がいるとは。強奪していく者ばかりだったがそなたのような者もいるのだな。」

 声の主は姿を現した。予想通りエルフである。30歳前後の長髪のお姉さんだった。警戒のためか弓を構えていた。

「確認した方がお互いの為になると思い、訪ねたんだ。そして、俺は武器を携帯していない。敵ではないし、何なら束縛してくれてもいい。」

 警戒を解くため、敢えて不利な条件を告げる。

「わかった。では縄で手首を括るがよいな?」

「あぁ、構わない」

 俺は両手を前に出し括ってもらった。別にこの場で罪を犯した訳ではないが罪悪感があるな。これは。

「腐葉土の件は長に聞いてみないとわからない。後、集落の場所を知られるわけにはいかぬので目隠しもするぞ。」

 俺の視界は真っ暗になる。これはホームヘルパーの資格を取りに職業訓練校に行ってた時に一度やったなぁ。歩いたり段差上がるのめっちゃ怖かった記憶がある。ならガイドヘルパーになってもらうか。

「あの、めっちゃ申し訳ないんやけど、段差とか気を付ける所は声で教えてもらわれへん?あと、杖か棒が持たせてもらえるとありがたいねんけど。」

 あ、思わず素の口調で話してもうた。やっちまったか?

「あぁ、確かにケガをされても困るか。わかった。これを持て」

 手をヒラヒラして棒をつかんだ。ラッキースケベな作品だったら胸に触れただろうが今は命が惜しい。なのでそんなヘマはしない。口調は特に注意されなかったので助かった。


 しばらくフォローをされながら歩くと集落に着いたのか周りから声が聞こえてきた。

「族長。何やら我らに用がある者を連れてきました。」

 俺は目隠しを外され、見渡す。どうやらどこかの家の中で前にはエルフが数人座ってこちらを見ていたのだった。

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