薬師ユキ(村のアイドル的存在か?)
「横の部屋は空き部屋じゃから泊まっていくとええ。食事もこちらで用意するぞ。お手伝いさんが。」
再びカカッと笑う。何とも言えないがええじいさんや。暴言や暴力、我儘だったら断ってたやろな。
「じゃあ、お言葉に甘えるわ。後は実際にどこまで動けるか確認しながら介助するわな~。」
その後、一旦部屋を後にし荷物を置いた。すぐに戻りガルドに薬師の場所を聞いて行く事にした。
場所はガルドの家から北東に歩く事5分くらいだが確かにこの路面は老人にはキツイわな。こじんまりした一軒家の前に着く。扉を叩き、中を覗き込む。
「すみません、ユキさんいます~?」
「はーい。どちら様でしょうか?」
奥からユキと思わしき人が出てきた。水色のボブカットヘアの女性が近づく。身長は160cmくらいだろうか?女性にしては背が高めのようである。
服装は薬師だからか白を基調に緑の差し色が入ったローブを着ていた。
「ガルドさんからの依頼で痛みを和らげる薬を貰いにきました。」
緊張からか敬語になってしまった。だって声が甘い感じのお姉さんなんやもん。
「鎮静作用のある物ですね。少々お待ちください。」
落ち着いた所作で大人っぽいのに声のギャップよ!
ハッと我に返り周りを見渡す。あれは。名前知らんけど種や葉をゴリゴリして潰す奴に乳鉢みたいなやつ。調合に必要な物は大体ありそうだった。
窓際には束になった草や花が干されていた。フードスペシャリストで確認してみる。
ラヴェンタ……元の世界でいうラベンダーと同じ効能。
ティミン……ペパーミントのような物
などハーブ類もあった。
「お待たせしました。こちらは食後に飲むようお願いしますね。」
「はいよー。ありがとー。また何かあれば来ますね。」
少しだけ調子が戻った。
薬を受け取り、ガルドの家に戻る。




