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次のターゲットは鬼舞辻無惨だ!

「ふふふ、時間を5秒だけ飛ばしてやったぜ。ここから、5秒前に戻って、こいつの肉体を手刀で刺し貫いてやる」


5秒前に戻るとナイフを手にしたシンが立っていた。


「ふふふ、アホ面をしているな。しかし、お前の人生はここまでだ。5秒後にはわたしの手で貫かれて断末魔の悲鳴を挙げているお前をみることができる」


確かに、シンの体にはディアボロの手が差し込まれていた。

(おお、何時のまに! しかし、この程度ではオレを倒せねぇぜ)


シンは穴の開いた肉体を再生させ、その増殖した肉でディアボロの手をつかまえていた。


「こ、これは何だ。私の手がこいつの肉体に埋まって動かせない。そんなバカな!」


志熊がシンにささやいた。

「そんなバカなと叫んでますぜ」


「ふふふ、お前に人をバカだという資格はねぇと言ってやってくれ」


シンは、既に、ディアボロを見ていない。

見ているのはマユの動きだ。

マユもシンに劣らず、気が短い。


シンはマユがディアボロを殺しちゃうんじゃねぇだろうなと考えていた。

こいつは、すぐに殺しちまうからな。


待て待て、焦るんじゃねー。

トランキーロ! 焦んなよ! だ。


じっくりと時間を飛ばす能力の秘密を探ってやろうじゃないか、と思っているとディアボロの首が飛んでいた。


(は? 何やってんだ)と思っていたら、マユは悪びれることなく、こう言っていた。


「あたいだって、新しく貰ったナイフの切れ味を試してみたいじゃん。えっ? あんたも試し切りしたじゃん。なんで、そんな目であたいを見るんだよ~。てめぇ、ぶっ殺すぞ」

 

三人はイタリアから帰ってきた。


開口一番、シンが言った。


「ああ、これが日本だ。匂いが違う。しかし、イタ公野郎たちはデキが悪かったな。ああいう人間にはなりたくないなー」


(は? こいつが言うかよー)と志熊は呆れていたが、なにはともあれ、無事帰国できたことに感謝だ。


もう、二度とこの二人には会いたくない。


シンとマユがハザード社にやってきた。


全員が全面カバー付きのヘルメットをかぶり、防弾チョッキ着用のフル装備で出迎えていた。


当然、周りは武装警官だらけだ。


完全武装で出迎えた要人が言った。

「やあ、ごくろうさん。今回も無難にミッションをクリアーしたね。さすがだ」


「まぁ、どうってことはない。だがな、日本語が通じない国には、もう行かないぜ。何が悲しくて通訳を介しながら話をしなけりゃ、いけねぇんだよ」


いつも文句を垂れるシンと違って、マユはなにも言わない。

言ったところで何が変わるというんだい。


マユは文句たれのシンをうるさい野郎だと感じていた。

いつか、ぶっ殺してやるとも、思っていた。


要人から、さっそく次のターゲットが告げられた。

「次に相手にするのは鬼舞辻無惨だ」


それを聞いたシンは疑問を呈した。


「鬼舞辻無惨って大正時代の人間じゃないか、まさかオレたちをタイムスリップさせようという腹じゃないだろうな」


「ふふん」要人は鼻で笑っていた。


「うるさい奴だな。いいか、お前に自由があるわけじゃない。独房に戻されたいか。ただし、今度は水槽風呂だ。手足がふやけて皮膚がやぶれるぞ。もっとも、死ぬまでは入れないけどな、皮膚が完治したら、また入れてやる」


(ううう、このサディスト野郎め、こいつだけは必ず殺す)と思うと自然と手が動いていた。


シンはベレッタを抜いて連射していた。

防弾チョッキの一点だけを狙って連射していた。


「ウガッ!」と叫んで要人はあの世に去って行った。


「またか!」


武装警官たちが怯えながらシンをとりまいたが、撃てと命じられていたわけではない。


ハザード社はせっかく作った殺人マシーンを殺す気は毛頭なかった。

つまり、武装警官たちは脅し用の者たちであり、発砲は禁じられていた。


それを思い出した警官たちは全員が我先に逃げ出した。

「逃がすか!」


「逃がさないわよ! 全員皆殺しじゃー」と叫んでシンとマユは乱射し、捕えた警察官を射殺してマシンガンを奪っていた。


ズダダダダンとマシンガンの銃声が鳴り響き、現場は防弾チョッキをすり抜けて被弾した人たちが流した血の海になっていた。


結局、前回と同様に、ハザード社は警察車両によって包囲されることになった。


次の相手は鬼舞辻無惨だ。


映画を観ないマユは知らないだろうなと思っていると、今度はスマホを駆使して情報を収集していた。


「鬼舞辻無惨って、死なない奴だよ。太陽の光で死んだということになっているけど、嘘っぱちでしょうよ。だって、太陽の光で死ぬなんて生物は存在しないから。これは、無知なあたいにも分かる話よ。ねぇ、鬼舞辻無惨は死んでないよね」と要人に訊いた。


「その通りだ、奴は死んでいない。ただ、奴個人は既に亡くなっているが、その末裔が生きている。そこが問題なのだ。that's the problemだ」


「は? 英語で言うな! 何をすかしてるんだ、こんなところで。で、過去のように不死身なのかい」


「そうだ」

「どうして倒す?」


「拳銃は通用しないので、以前に使用した刀を渡す。これで切り刻んでくれ。切り刻んで、一片の肉片も残さずすり潰してくれ」


「あたいは鬼舞辻無惨って奴は知らないけど、スマホでググってみたら、子分がたくさんいるじゃん。今でも、いるのかい」


「いや、それは確認されていない」


「ま、いてもいなくても、全部、ぶっ殺してやるからオレにはかんけーねぇけどな」


「ま、そういうことだ。君たちは今から食事をしてもらう。遠慮なく食い散らかしてくれ」

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