第9話 住む都は違えども、屍は動く
....2ヵ月、更新が遅れました。すみません。
...トラックを走らせて数分後、見慣れた大きなドーム型の建物が見える。その壁の内側から特徴的な形をした高層ビルや空中を走行する空中用無人自動車が音もなく動き、各々の目的地に向かっているのが見えた。...しかし、この光景は、もう何十年も前も、いつもの光景で何も変わらず、この都市は運営されているということだろう...。
...ここまで、田舎道からバイクで走る運送屋に遭遇した程度で済んだが、いつもの帰り道も同じ道をこのおんぼろトラックで行くのか、と、ここから先の道のりを思い浮かべて憂鬱な気持ちになった。
「...マスター、この先はどうするのですか?この後には。」
..もう日は沈み、赤い空が見え、カラスも鳴いている。さらに、夜には盗人が現れる可能性も十分に考えられた、のはもう分かりきったことだ。この初めての都市周りを見てみると、頭のメモリに記録されている”乗車物名記録メモリ図鑑メモリー”で確認できる...。
「..乗車物名、確認しました。」
「..ああ、あれは空飛ぶタイプの車でこの都市でよく見られるタクシーっていう乗り物だな。」
「正式名称、飛行専用車両です。マスター。」
「分かっているわ。そんなことぐらいはな。単にそちらの記憶回路等が良好か確認しただけじゃわい。...しかし、それにしても都市の奴らの技術発展は凄まじいものがあるのう..。」
"...特に、あんな馬鹿でかい高層ビルを前来たときよりも、階層が上に作成されてないか?"、と前来た際の記憶を思い出しながらも、儂はこの依頼をした社長のこと、いや、この儂らの本業とも言ってもいい運び屋について思いをはせていた。
...かれこれ、この村に引っ越してきた際から何となくで人の伝手で頼っていたら、あれよかれよ、と流されて得た仕事であるこの業務は、単に村の荷物を都市方面や別の村に届けるためだけじゃなく、このような社長の個人依頼としても請け負っていることがある...。
...だが、それはごく偶にであり、ほとんどはその機会は訪れず、別の村に荷物を梱包して別の運び屋の業者に頼んで運んで行ってもらっていたり、儂みたいな爺が運んでいるのが主流だ。
..しかし、今回ばかりは最近の物価高も相まってか、いつもあの社長さんの便りにしている業者さんが、業務停止命令を中央管理局に受けてしまい、運ぶにも運べなくなって、社長さんが困っていたときにちょうど儂ら自身にお鉢が回ってきた、というお話だ...。
...今、助手席にいる猫耳メイドには、その話はかいつまんで、説明した。
..まあ、ガソリン代はバカ高いし、出費はかさむが主に、儂らのためでもあり、あの村の生活に必要じゃからな。そう儂は横にあるトラックの座席で行儀よく座り、テスト中に難しそうな問題に直面したように表情をしかめ、こちらを抗議をするような視線で見つめる猫耳メイドAIにそんな曖昧な表現をした言葉を返した...。
...なんか、不満がありそうな表情をしとるの、コイツと思いながらも、トラックの運転をしているため、ハンドルを握り、荒野を真ん中のアスファルトの道に沿って進んでいく。その中でも偶にぽつぽつと廃屋が見えており、枯れた木々が生えていた廃れた街を通っていく...。
「はあ。久々に様子を見に来たが、相も変わらず、この街中をトラックで通ると、気が滅入るのう。」
..最近、ここの通っていくことがなかったが、知り合いの社長の頼みでここを通った。トラックが門を通過したところで、まるで記憶をフラッシュバックするかの如く、久しぶりにここがまだ栄えていた時と完全に廃れた街として認識した思い出を思い出し、気分が沈んだ。
...トラックで通ったところには、完全に人がいなくなり、植物がまるでSF映画の人類滅亡後の世界のような有様となったショッピングモールと家々、ガラス部分にひび割れた街灯、ときおり割れたアスファルトから植物とは言えないような銀色のチューブみたいなの、さらにはここ最近出没した魔素に汚染された危険生物の姿も視認できた...。
...その生物は四足脚で歩行する哺乳類のような大型犬くらいの大きさではあるが、その大型犬などの野犬にあるはずのものが身体を覆ってはおらず、その代わりといってか、カチカチと赤黒い光が全身の体の表面から発光するように発光しているのが遠くからでも視認出来る..。
..しかし、その体の表面からジューッという何かが焼けるような機械音と混じったような不気味な音と、コッヒュー、ヒュッコー、とというような生物特有のような、いや、それよりもまるで機械が動いているかのような呼吸音が聞こえている..。さらにこちらを視認してはいないようだが、しきりに何かを探すようにその場で歩き回ったり、空気の匂いを嗅いでいるのか上の空で首を上下に動かすような動作も確認できた...。
「...さて、ここから、どう動こうかね?エンジン音とかで奴らに気づかず突破は難しいだろうから、やっぱり、一匹ずつ対処するしかないのかの?」
"視界良好、目の前にある障害物の中で邪魔になる対象はなし"、と...、うむ、いけるの。
儂はそう思い、後ろにある黒色の横に対して細長い鞄を助手席に座るメイドに指を指して、こう話した。
「今から、少し街の中での清掃作業をする。君にはそれに必要な後ろにある細長い鞄があるから、それを持ってきて儂と同行してもらえんかの?」
...昨夜、少々話した特殊作業マニュアルに沿って行動を開始して欲しい、と最後に言葉を付け足しながら、儂はそう言い切った。
..言った相手である猫耳メイドはは儂の言葉を聞き終えると、少し首をかしげてから、一拍遅れて、状況を察知したように瞳孔が少し大きく開き、少し早く首を小さめに縦に振り、後ろにある黒色のかばんを助手席を降りてから取り、小走りで助手席に戻り、開口一番で儂にこう言った..。
「マスター、それは昨夜話した特殊作業の工程に移る、という認識で間違いないと当機はマスターに確認の返答を行います。」
"...確認を了承する"、と儂が彼女に対して、言葉を紡ぐと、"了承されました"、と彼女が返答を行い、続けざまに疑問を儂に投げた。
「この特殊作業に必要な武器は既に昨夜、確認済みです。ですが、私自身の検索エンジンと付属された調査アプリケーションで再度調査したところ、遠距離武器のほうでの疑問があります...。今回の特殊作業の工程で使用するこのクロスボウについての説明が行われてないことと、このクロスボウ自体に何らかのエネルギーを弓本体と矢じりに発生しているのを解析で発見したことに関しての説明を当機は求めます。」
"...また、これはあくまでも本来はマスターのような一般人がどのような経路を使用したとしても存在するのが有り得ないものです。"、と儂自体には、いらないが、それでも、儂を過去の思い出を思い出させるような言葉じゃな。
...はあ、もう10年以上使わないようにしてたから、弓の弦が少し、脆くなっておるかの?少しアレで補強すれば何とかなるかもしれん段階じゃな。まあ、これはこれで長持ちするから大丈夫じゃの...。
「...いや、そんな抗議するような視線を送ってもの~。儂のこれまでの状況はもう、あの夜で話したじゃろ?」
儂は敢えて、とぼけながらも質問に答えた。正直、嘘をつくこともないし、昨日、重要なことは話したので、これ以上は話すことがない、というジェスチャーをしながら、彼女は更にジト目で言葉を重ねて、続けてきた。
「いいえ。あなたがあの夜に私に説明した内容は仕事内容の話ではなく、あくまでも村の状況、家事全般の位置説明、新たにインストールしたソフトの名前等です。あとは私自身に元から付属している検索機能で何とかバックアップは取れましたが、この仕事のリスク等の事情説明はあなたはなされませんでした。」
"..私にとっても重要なことを説明していない"、と彼女は続けて言ってから、私を責めるようにジト目で睨みつけて、それ以降、説教のごとく、つらつらと不満な点を堰を切ったかのように言葉をぶつけてきた。
...うむ。ここまで彼女の不満が溜まっているとは思わなかった、というか、アレ?最近の人工知能ってこんな感じで不満を述べることあったけか?
...少なくとも、儂が都市にいたころと都市付近の場所で見た人工知能よりも性能が高くないか、この子は?、と儂は不思議と疑問に思いながらも、まあ、元のマスターだったやつがそういう趣味で性格に設定したんだろう、と思いながら、運転をしつつ、適当に返事をしていく...。
..まあ、正直なことを言うと、こんな感情をいちいち説明していくのがめんどくさい、という簡素な理由じゃが。そんな儂の感情に気が付いたのか、隣に座っている猫耳メイドはジト目でこちらを責めるように視線を送るように感じる。
..仕方なく、というより、このまま、あーだこーだ言ってても、先に進まないから、彼女に対して、出来うる限り、かいつまんで特殊作業についての詳細を説明した...。
...そして、最後の疑念にも出来うる限り問に対して答えた後、特殊な工程を得て作られたナイフとボウガンを装備して、自身の車をいつでも逃げれるような場所に隠し置き、ボウガンを構えながら、外に出た..。
...しかし、説明の途中から儂から目線を外して、目をつむり、うんうん唸っている彼女にとって、現在の儂という人物がどのような人物かを測りかねるようなものを自身が持っていることに大いなる疑念、少しばかりの好奇心、自身の解析に対する判断材料の少なさというような形式で今、悩んでおるのかの..?
...ふむ。ここまで感情的な人工知能は初めて見るの。まるで外見年齢より幼い10代の若造か、それ以下の少女を相手に大人気ないことをしているような気分になってきたの...。
そんなこんな場面がありながらも家に着いたのは、すっかり日が落ちて青い星空が見える頃だった。
次回、出来れば戦闘描写等を書きたいです。




