3.温かいスープの味
窓の外は光り輝いていた。
太陽は空高く、遠くに山々もそびえ、長く水平線まで続いていそうな草原に立つ、古城にいた。
目線が高いから上階にいるのは間違いないが、見渡すかぎり何も無い。
「ここはラスがいた世界の少し離れた場所にあり、どんなに高難度の魔法や追跡があったとしても絶対に見つかりませんよ」完璧すぎるスマイルが言う。
(ワタシって記憶喪失なの?彼の言葉はわかるけど、彼と同じ言語が話せないのはなぜ?話せたらたくさん聞けるのに。)
またベッドの上に降ろされた。
「あとで精密検査を受けていただけますが、体が軽すぎます、まずは何かたべましょう!」
そういうと彼はまた部屋から出ていってしまった。
「自己紹介がまだでしたね。私はブルーノ・エドガーと言います、簡単に説明するとあなたの下僕ですね。」
暖かいスープを飲みながら絶望的な会話がすすんでいる。
「かねてよりの個人的な願いで、ラスに仕えております。ちなみにこの城はもちろん、この空間自体も全てラスが作り出し、この城にいるもの全てラスを崇めるものばかり!」
(あー…よく理解できないけど、やばい感じがする。)
キラッキラな顔で熱心に言われても、ピンとこない。
だってワタシ、5才くらいの子供だし、めがさめたばっかだし、自分が誰だがわからないのに、黒髪メガネの彼に何かいわれてる。
「あっ、あの、わ、たしっ…」やっぱりうまく話せない。
「そうでした、うまく話せないんでしたね。大丈夫ですよ、こちらの話はわかるのでしょう?
たぶん力が戻る前に起きてしまったので、干渉できないのでしょう」
そういうと、ピンク色の小さな石がついたペンダントを出してきた。
「どうぞ、あなたの欠片ですよ。散り散りになるときに1つだけ受け止めることができました。」
ペンダントを首にかけてもらう。自分では変わった感じはないけど、口をひらいてみたら…
「あ、話せる…かも。」こちらの国の言語がスラスラでてくる。
スープを食べ終わる頃には、少し会話ができるようになっていた。
「あぁ!ラスが喋ってる!微笑んでいます…私、泣けてきました…」黒髪メガネは、号泣していた。
かなり引いたのは言うまでもない。




