13.ララと呼ぶことにした
ルキナは先生と詳細を確認した後、女神の部屋の前にいた。
女神といえど少女の部屋、入るか迷った末に軽くノックした。
返事はない。
早朝でまだ寝ている可能性があったが、かまわずドアをあけた。
女神はベットですやすや寝ていた。
ベットの端に腰かけて、寝顔をみた。かわいい。
変な気を起こす前に、起こそう…うん、そうしよう。
「起きてくれ、そろそろ行くぞ」
声をかけたけど起きやしない。寝顔がかわいい、許す!
しかたがないけど侍女を呼び、起こしてもらった。
着替えが終わって城の門の前で集合した時、先生は窓越しに見ていた。
髪はいまだ白いままだけど、顔色はいい。
いそいで樹をみつけるという気持ちをを胸に刻み出発した。
「なぁ、聞いてもいいか?」
「なんでしょうか、ルキナ王子」
「やっぱさ、呼びずれぇ。名前マジで統一してくれ、ラスか、お嬢か、ライモンか、どーする?選べ」
「選べと言われても…なんでもいいんですが、なにかつけてくれませんか」
「では、ララと呼ぶことにしよう」
「ララ…新しい私の名前」
ラスのラから始まり、音もいいしな。ふっと笑いながら教えてもらった。
まさにペットのような名前だけど、この世界の初めてもらった名前、けっこうイイ。
ララは浮かれていた。ルキナ王子から呼ばれるたびにウキウキする。
背の高い王子に手を取られて、はたから見たら兄弟のよう。
自分に兄がいたらこんな感じなのかと思いながら、リードされていった。
時折、手首のチェーン跡が光って痛みがくるが、気にしていられない。
早く見つけて、なんとかしなくては、対処が遅れると世界が壊れてしまう。そんなこと、いやに決まっている。しかも自分にかかっていると言われては、寝る気も失せる。
でも進まないと。
馬車での移動は長かったが日が暮れる前には森にたどり着き、近くの町で泊まることにする。
森は大きく深い。特別大きい巨木もない、明日はララの感覚を頼りに行くしかないな、と思いつつルキナは部屋にこもった。




