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11.寝ている間に

「急に呼び戻してすまない。」

玉座に座るのは国王陛下、1段下がって第1王子のアイル。兄貴と呼んだのは彼。

第2王子のカールは、隣国に調査に出ていたたらしい。対になるかもしれない大樹の捜索。

大樹といえばすぐ見つかると思ったが、深い森の中にある1本の樹を見つけるのは困難だった。

鏡の中の大樹は高さがあったが、こちらは特別高さのある樹がなかったため、聞き込みや古い資料を探しているという。

それこそ樹齢、太さや枝ぶり、信仰対象など、ありとあらゆる対象を1本ずつ。



「女神殿、そなたの在り方などの話し合いで、時間がかかってすまない。」

「いえ、私は…女神なんて呼ばれる者ではなく、なんでここに存在するかもまだわかりません。」

「ふむ、そう言わなくてもよい。存在理由などこれから探せばよいではないか!俺なんか、ここに座っているだけだぞ!」

陛下は笑っているが、王子たちは困った顔をしている。


「とりあえず、ルキナと共に大樹捜索をして欲しい、衣食住は保証しよう。」

「わかりました。宜しくお願いいたします。」


少し話して、陛下と王子たちは下がっていった。

小さくなった私はルキナと一緒に部屋に戻った。

「さて、どーしたもんかな?」

ルキナはベットに腰掛けて、天井を見上げている。私は窓際の椅子にすわって、外を眺めた。


「大樹って大きいんだよね?私、見たことがあるかも。」

「どこで?目覚めてから、ほぼ外にでてないのに……前世か!」

「なんとなくだけど、そんな気がする。」


ルキナは、棚から地図を取り出してテーブルに広げた。私はこの世界を知らないから、現地点はわからない。ただ思い出したような記憶を、少し話してみた。

「広い海があったの。白い塔があって…白い花がたくさん咲いていて、森がある。」


ルキナは部下と地図を見ながら、ここか?と指を指して考えては、こっちかもと地図を眺めている。候補がたくさんありそうだ。

「なにか具体的な目標があればなー」


鳥目線なのかもしれない。目を閉じて、集中する。

「すごい高い目線なの。山じゃない、ここはどこ?」

眼の前がぐらっと揺らいだ。蹌踉めいて椅子から落ちそうになったがルキナが支えてくれた。


「ありがとう、なんだか体が揺れた気がして…」

「色々あって疲れたんじゃないか?体も小さいまままだし、少し寝ていろ。」

小さい体をさっと抱えて、ソファに連れて行かれた。うとうとしてすぐ眠ってしまったみたいだ。

気がついたら夕方になっていて、ルキナの部屋に第1王子のアイルが来ていた。


「女神がお目覚めだぞ」

ニコニコしながら覗き込んでくる。王子様スマイルは眩しいです。

「一応検討してみたが、いくつか候補があるんだ。ほかに気になる風景はあるのか?」

アイルが聞いてくる。


「体が揺れるんです。あとは、下から風がくる高い場所にいて、振り向くと森がある場所に、白い花が。白い花は真ん中が水色?」

「ベルダン地方の白い森じゃないか?」

思い出したようにテーブルをたたいて、違う地図を取り出した。


「まず海がある。南から強い風が吹く断崖絶壁には灯台がある。それから森だが、地方名産の蜂蜜をとる白い森があり、花は白い5枚の花弁に中心は青!」

ざわざわし始めた。

ここに大樹があるかもしれない。でも高い樹は見えなかったと伝える。

樹高が低いのか、枯れそうなのか、検討つかないが、とりあえず白い森に行くことは決まった。


鏡の中の夜はまだ来てないみたい。

ブルーノに連絡して、ベルダンに行くと伝えた。

夜は3日ほど暗くなるから、そんなに遠くなければ間に合うだろう。

そう呑気に考えていた。



女神が寝ている間に、問題が起きていた。

「ルキナ、進捗はどうだ?」

王子が訪ねてきて、ソファに寝ている可愛いい女神様を眺めて、ふと言った。

「なぁ、小さいよな?」

「もとは同じくらいの身長があったのにな、どうやったら小さくなるんでしょうね?」

「そうじゃなくて、さっき合った時より小さくないか?」

皆が注目する。そういえば、スカートがすこし長くなったような。

2人の王子は焦った。さらに小さくなったら、幼児になり石に戻ってしまうのではないだろうか。


ルカを通して、ブルーノに取り次いでもらった。

彼は夜が来ていないので、まだ鏡を通れる。

すぐ来てもらい様子を見てもらった。

「ラスの力が弱くなっているようです。夜が来る前に消えてしまうかもしれません。」

「そんな!先生どうにかできないのか?」

「少しだけ時間をとめましょうか、彼女の周りだけしかできませんが、幼児化を止められるかもしれません。」


そういうと、床に魔法陣があらわれて、女神を寝かせた。服の中から、チェーンにつながっているカードを取り出す。

「先生。それ!使うのか?」

「はい、伝承にあるように使う時が来たようです。まさか自分が使う側になるとは感慨深い。それもこちら側にいる時、女神のために使うなら本望です!」

ブルーノのもっていたカードは、国に1枚しかない特別な魔法がかかったカード。ブルーノのが常に管理し、肌見放さず持ち歩いていた。


このカード、指定した時間を止める効果があり、その間いかなる魔法も無効化する。

かけた者は生涯、呪われて消滅できない。


「大丈夫ですよ、私はあと少しで鏡から出られなくなりますし呪われても平気です。むしろ好都合!色々やばい実験し放題ですね!」

なんか違う。みんなそんな顔をしていた。


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