にゃ神降臨
神様もう一度! あの人のそばで......
そう私は暗い部屋の中で小さい声でそう呟いた、だれにも聞こえるはずのない小声で、私自身しかいないこの部屋で、
(/-*++ぜrd」;)
(んほい2ん)
(154bぐyffj、ききききこっこここえええっる)
そしてそれは突然やってきた、最初は頭の名から響くように聞こえるノイズ音で、徐々に私にわかる言葉になっていき遂には
(初めましてお嬢様、koの世界に私を呼び寄せたのあなたでしよいか?)
「うわあ!」
びっくりした、いきなり知らない人の声が聞こえてきた。
(驚かせて申し訳ございません、お嬢様、ですがどうしてもお伝えしなければならないことがございますので少々お待ちくださいませ)
そういうと声の主であろう人は私の返事も待たずに一方的に話を始めた。
(まずはわたくしの自己紹介からさせていただきましょうか、私は簡単に言えば神です、それも邪神といわれるものです。詳しく言えば這いよる混沌とか、悪意の無い悪などと人によっては、邪悪の権化のようにわたくしのことをよばれていますが。)
そんなことを言われても困るのだが?そもそもこの自称神は何を言いたいのだろか?私が戸惑っていると
(ああすいません、わたくしの説明ばかりしてしまって、本題に入らせていただきますね、あなたには今すぐどんな願いか言ってもらいたいのですよ。)
急になにを言うのかと思えば、なんともおかしな話だ、しかもこんな怪しい奴になぜ私が答えなければならないんだろう?
(おやおやどうしましたかな?まさか何も言わないとか言い出しませんよね?)
確かにその通りだ、いくらなんでも怪しすぎる、だがしかしここで素直に言うことを聞く必要もないような気がする。
(では仕方ありません、あなたに強制的にお願いを聞いてもらうことにします、大丈夫です痛くはしませんから、ただちょっとだけ眠ってもらうだけです。)
何を言っているのかよくわからない、というよりさっきからこの人は勝手に一人で喋り続けているだけだ、これはあれだろうか?俗にいうストーカーとかいうものなのか?だとしたら少し怖いかもしれない、それにしてもいつの間にか体が動かないぞ、これは本格的にまずいのではないか?
(はい、それじゃあおやすみなさい。)
そう言われた瞬間私の意識は深い闇へと落ちていった。
「ううん……ここはどこだろう?」
目が覚めるとそこは見知らぬ天井だった、なんてことはなくいつも通りの自分の部屋のベッドの上であった。
なんだ夢か、でも変な夢だったなぁ~なんか私じゃない誰かの記憶を見ているみたいな感じで、それにしても本当にリアルだった.
(おはようございます、お嬢様。)
するとまたどこからともなく聞き覚えのない声が聞こえてきた。
誰ですか!どこにいるんですか!
(失礼いたしました、先ほどまでお嬢様に語りかけていた者です、お嬢様の脳内に直接話しかけさせていただいております。)
はぁ!?どういうことですか!ていうかなんで私の考えていることわかるんですか!
(はい、それが私の力でございますゆえ、それよりもお嬢様のお名前を教えて頂いてもよろしいでしょうか?)
そんなことを言われてもまだ会ってもいない人に教えるわけがないでしょう!
(そうでございますか、ではお嬢様のお名前を伺った後に私の名前をお教えさせていただきます。)
えぇーもう勝手だなあこの人(神だけど)まあいいか、私はこの自称神の人と話すことにした。
ちなみに名前は隆美蔵 澪と言います、よろしくお願いしますね。
(はいこちらこそよろしくお願い、これからはわたくしの名前でもあるのですから.)
ん?いまこの人なんて言った? はい?どゆこと? この自称神さんが名前? なんの冗談だよ!っていうかそんなこと言ってないよね? そうだよね?
(いえ、そのようなことは一言も言っておりませんが、どうかされましたか?)
いやいやいや、そんなはずはないでしょ!だって私はこの自称神さんのことについて聞いたんだよ?なのになんで名前を名乗ることになるの?おかしいよね? そうだよね?
(いえ別におかしくなどありませんよ?現に私はお嬢様の体を借りてこうして会話をしているではありませんか?ならその体を貸されているお嬢様がお嬢様のものではないということにはならないと思いますが?違いますか?)……確かにその通りだ、というか普通に考えればそうなるはずだ、この人が神様だからといって、それを証明できる手段があるわけではないのだから。
(納得していただけたようで何よりです。)
ああわかったよ認めればいいんでしょう?それであなたの名前はなんて言うの?
(はい、ありがとうございます。わたくしの名前は、そうですね仮にニャルラトテプと名乗っておきましょうか。)
はい?
(ですからわたくしの仮の名前でございますよ、これならばお嬢様も呼びやすいでしょう。)…………。
(それではそろそろ本題に入らせていただきましょうか、まず初めに、わたくしと澪様の契約内容の確認をしたいと思います。)
契約内容?そんなのしたっけ?
(はい、しっかりとさせていただきましたよ?忘れてしまったのであればもう一度説明しましょうか?)
いえ、結構です!
(そうですか、それは残念です。)
まったくこの人は何を言い出すんだ、というかそもそも契約とかしてないし、あれ?そもそもこの人はどうして私のことをお嬢様と呼ぶんだ?それに私のことを見透かしているようなことも言ってたし……
(ああそれは簡単なことです、わたくしの能力は相手の思考を読むことと相手の記憶を見ることが出来ますので、そこからある程度の推測をすることが出来ただけです。)
なるほどそういうことだったのか、でもちょっと待って? それってプライバシーの侵害じゃないの?
(確かにそういう見方もあるかもしれませんね、ですがわたくしにはそういった概念はございませんので、気にする必要はございませんよ?)
うぅ~なんだか納得できないけど、これ以上考えても無駄かな。
(そうしてくださいませ。)
もういいから早く本題に入ってください。
(かしこまりました。では改めて、まず初めに、澪様にはわたくしとの契約で愛しい人に会いに行ける身体を創造しました。)
はい?どういうことですか?私はまだ何も頼んでいないですよ?
(はい、もちろんわかっておりますとも、ですがわたくしはただあなたの願いを聞くだけでは対価として釣り合わないと思いまして、代わりに願いを聞き届けるための条件を提示することに致しました。)
つまりあれですか?私はその願いを聞くために代償が必要になって、その代償を払うための条件を満たしたら願いを聞いてくれると、そう言いたいのですね?
(では、続けますよ!今回創造した身体の方は愛しい人との再会の後、わたくしが戴きます。そして魂の半分も戴きます。)
ちょ、ちょっとまって下さい!それじゃあ私の体はどうなってしまうんですか!?それになんでわざわざ半分も奪う必要があるんですか!?
(落ち着いて下さい、ちゃんと説明しますから、大丈夫です、ちゃんとお返ししますから。まず最初の質問ですが、今回の場合、肉体が猫から人間のものに変化させ魂の定着時にわたくしも一緒に入っていますので、その際に半分の魂はお嬢様のものとなります。そして次の理由に関しましては、わたくしは澪様の望みを叶えるために力を貸しますが、そのかわり、わたくしの力を使う際にお嬢様の力を消費させていただきます、ですのでお嬢様の方が負担が大きくなってしまいますので、その分お嬢様の魂の容量を増やしてあげようということなのです。)
なるほど、つまり私はこの人の力を借りることで自分の願いのために使える力が、この人と契約した時点で増えると、そういうことですか。
(はい、理解したようですね、後スペシャルサービスで1人を除き近親者や友人知人の記憶の書き換えもしましたので、安心して願いを言ってくださって構いませんよ?)
え?記憶の書き換え?それって一体……
(おっと、時間切れのようですね、ではまた会いましょう、わたくしの可愛い澪様。)
は?ちょっと待ちなさいよ!まだ聞きたいことが……