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他人が自分より可愛く見えるのは当然の話

 転機は突然やってきた


 しかし、高校生の時に友達に突如、鼻を褒められたのだ。


──「六花の鼻、私すごく好き。鼻って感じで、いい形してる」。


 そう言ったのがデッサンなどを得意とする美術部の子だったから、とても嬉しかった。

 その子はお世辞が苦手なタイプで、普段の会話では「おいおい……言いすぎ」と思うことがあったため、そんなまっすぐな子に褒められたことが、私の誇りとなった。


 私のちょっと上向きのツンとした鼻は、祖母譲りのもの。

 祖母の若い頃の写真を見ると、昭和初期の女性として考えると女優さんかと思うほどに、控えめに言っても美しい。


 それ以来、私は鼻を気にすることがなくなった。


 その後、コンプレックスがどこに移動したかというと、幼い頃は気にしていなかった『口元』だった。


 永久歯が生えてきた頃から歯並びが悪くなるのが目に見えてわかった。

 これは現在進行形で悩んでいることで、今、他人の顔を見て真っ先に目が行くところは『口元』である。

 相手が自分の歯なのか造り物なのかも見分けられるくらい、口元を見る癖が付いてしまった。



 目が行くところが自分のコンプレックス。

 そう考えると、他人の顔を見ると必ず「可愛い」に結びつくのは当然の話。


 私の場合は、どんなに目が細くて小さい人を見ても、歯並びがいいだけで「可愛い」と思うし、その人になりたいとすら思う。


 瞼くらいなら、大人になって肉のつき方が変わった時に突然二重になることも考えられる。

 実際私も片目だけ、並行二重になってしまった。

 なるなら両方なってほしかったが、まぁ奥二重も好きなのでメイクをするときに苦労するくらいだ。


 しかし、口元は年をとると悪くなる一方。

 歯茎は年々痩せてくるし、歯の変色だってあるし、歯自体も前に前に動いてくるから、ぱっと見はわからないけれど前歯の角度が変わってきたりする。


 最近は年に1度帰れたらいい方だが、実家に帰省すると、父によく

「六花はそんなに歯並び悪かったっけ?」

と言われてしまうほどだ。


 若いうちに矯正をしておけばよかったと思う。今更だけど。


 他人が可愛いのは当たり前と考えよう。

 ある人を見て、可愛いと思うのは当たり前だ。あなたが気にしているところを見ているから。

 きっと他の部分は、あなたの方が可愛い。完璧な人間なんて二次元の世界にしかいない。


 もし、あなたがアイドルになりたい人であったとしよう。

 オーディションの審査員が顔にコンプレックスを持っていたら、またはスタイルにコンプレックスを持っていたら、間違いなくあなたは合格するだろう。

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