VRMMORPGを始めました!
MS;マーリン→葛
「拝啓、糞悪友の葛さん。
私も今人気のフルダイブ型のMMORPG「フラクション」を始めました。
貴方が極振りしろと言っていたのでしました。
貴方がオススメしていたMPにです。
そのお陰で、始まりの町から出られない貧弱ステータスに成ったのですが、何か言い分はありますか?」
MS;葛→マーリン
「おやおやー?8人目の彼女とのデート中に他の9人の彼女達に10股してるのをバラして修羅場(流血沙汰)にしてくれたマーリンさんじゃないですかー!痛かったですよ。何せ、お腹を包丁で4回刺されましたからね。内臓は無事でしたけど、お腹に跡が出来ましたよ。気付いたか屑野郎。お前のキャラはもう無理なんだよ!!!諦めてソフト(20万円)を買い直しな!あ、お情けで教えてやるよ。経験値はモンスターにラストアタックしない限り手に入らないからな?ま、MPに極振りした君には装備制限で初期武器すら装備出来なくて詰んでるけどな。じぁな」
MS;マーリン→葛
絶縁中のため、MSを送れません。
・・・・・。
「やってやろうじゃねぇか!あんの糞野郎をPK出来るぐらいに強くなってやんよ!」
◇一時間前。
「遂に買えたぞ、フラクション!」
巷で大流行中のゲーム。
フルダイブ型のゲームで違和感を伴わずに魔法を使えるのが売り文句だ。
今まで魔法が使えるゲームは幾つか出ているが、使用者に負担が大きいのばかりだった。
乗り物酔いしてる時に無理やり炭酸水を飲まされる感覚だとか、プールの水を鼻に注がれる感覚だとか人によってバラバラだが、とても戦闘中に使用出来る物ではなかった。そんなの戦闘中でなかったとしても使いたくない。
でも、このフラクションはその感覚を与えずに魔法を使えるように出来た唯一のゲームなのだ。
思いの外、開発費が高く付いてしまい、ソフトが20万円もする超高額に成ってしまったらしい。
更に、月々1万円の契約しなければ通信できないし、サーバーの負担軽減(予算不足)で日本国内でしか通信できない仕様になっている。
当初、売れる見込みが低かったために制作会社が夜逃げを計画してたとかなんとか。
今は爆発的に売れてて大儲けしているがサーバーの許容範囲を大きく超えてしまい、発売から数ヵ月間は何度もダウンしたらしい。
今もサーバー強化に努めているらしく、ソフトの値段が下がらないのは強化費用捻出とプレイヤーが一気に増えてダウンを連発させないためだとか。
で、バイトをしまくって漸く20万貯まったから買って来て、ソフトをダウンロードしている。
MMORPGをするのは初めてで、悪友の楠木にやり方を聞いたのだが、運良く?フラクションのプレイヤーだった。
彼女の刺されて入院してたんだが、良く生きてたな?
彼女達の前でうっかりあいつが10股してるのを漏らしてしまった時は肝が冷えた。
ま、その時の情報料で20万まで届いたのだが。毎月、格好いい服とか買わずに我慢してたらもっと早くに貯まった筈なんだけどな・・・。
「お、ダウンロード終わったな。よしよし、これで後は入るだけ。・・・・、あれをやってみるか。折角だし」
そう、20年程前に流行ったアニメの台詞を。
「リンクスタート!」
・・・はっず。。。
これを素面でやってた主人公さんメンタル強すぎませんかね?
こうして、俺の物語が始まったのだ。