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色々凄いけど根はいい子なんだろうなと思います

「大胆といえば、カノンちゃんも結構大胆なことするじゃないスか。ほら、ここ船に居るの、全員人間じゃね?フツー、悪魔ってのは自分の目的のために、ダチの魔物とかと群れると思うンすけどね。悪魔が人間に囲まれてるなんて、自殺行為じゃないスか」



レヴィアタンは肌の露出が多い人型の姿のままぷかと浮き、船でちょこんと座っているカノンの隣に腰を下ろして会話を続ける。



「あー、そこはなんというか……成り行きっていうか?私、さっきみたいに歌を歌って踊ってってしてたら、ここのルーティさんやデイジーさんに気に入られて、それで仲間になろうって言われて、今までこうやって一緒に楽しくやってきたんですよね。ここの人間は、そんなに悪い人ばかりじゃないって思います」



カノンは半ばデイジーの勢いだけでパーティの加入を決めた馴れ初めを思い出しながら、レヴィアタンに自分のこれまでの経緯を説明する。



「あー、初めて気に入られたのが人間!ンで人間と仲良く楽しく、そういうこともあるンすね。ウチ、ヘマやって一回死んで、煉獄?っていうワルが落とされるとこに飛ばされてさ。そこでアンちゃんに会って、転生させてやるっていうからさ、即OKしたらなんの説明もなしに気付いたらこの海の底で沈んだまま眠ってて、これ溺れ死んだ?マジ?クスリがキマリすぎたかな?って思ったらさ、なんと体がクジラになってて。変な夢〜、ウケるっつってたらさ、レヴィアタン様が降臨されたぞーって周りの魔物クンがめっちゃウチによくしてくれたんスよね!ここの魔物クン達はウチのダチ?相棒?っつーか、運命共同体?て感じス」



レヴィアタンは早口で自分の身の上を説明する。アンちゃんとは、レヴィアタンが契約している死神なんだなとカノンは判断した。カノンはそのテンポの良い喋り口調に、笑顔でうんうん頷くことしかできなかった。



「うん、うん。そっちもそっちで、楽しそうですね!レヴィアタンさんも私と同じで、転生して悪魔になった感じなんですね」

「そうそう。やーなんか煉獄とかって場所に落とされるようなことなんかしたかなーって思ったんスけど、ヤクやってたのがまずかったらしいんスよね。まーアンちゃんの話だと、悪魔らしくやっていける感じはするかなって。ウチ、基本ワルなんで」



カノンはミケから聞いた、ドラッグを濫用したりさせたりして女を好き放題していたという男を思い出し、若干の恐怖感を覚える。



「そういえばミケさん、おくすりで悪いことしたやつを地獄行きしかなくねって言ってたんですけど、レヴィアタンさんはその、大丈夫だったんですね」

「ウチのことはリサでいいっスよ。まーウチはラップで世界平和?ラブアンドピース?目指してたし、それがプラスになったんじゃないスかね。ヤクも流されるままやってただけっスし」

「世界平和!いいですねー。私、悪魔になったら世界を滅亡できちゃうかもーって思ってたんですけど、最初にギリアムっていうすっごい強いバケモノみたいなのに会って、やっぱり無理だなって思って。やっぱり平和にやってくしかないんだなって思いました」



カノンはリサと名乗る悪魔から"聞こえ"てくる声が嘘偽りのないものだとわかると、警戒心を解いた。聞こえてくる音で嘘か本当かがわかるのは、つくづく便利だなあとカノンは思った。



「やめといた方がいいって、世界滅亡なんて。最悪、神に目ェつけられて存在ごと消されるらしいからさ」

「リサさんほど強い悪魔になったからって、簡単に世界滅亡とかできないんですね」

「やっぱどこの世界でも怖いスよね、権力。ここは警察とかあんま機能してなさそうスけど、あんまやりすぎると神にやられんぞってアンちゃんに言われてるから程々にしてるっス」



カノンはあんまり程々にできてる気はしないんですけど、という言葉を飲み込んで、笑顔で手をパンと叩いた。



「あー、私もそれで今大変なんですよね。勇者を倒したってことになって、それで勇者王っていうなんか強そうなのと戦うことになりました」

「死神になるとまず、勇者王と戦いがちらしいっスね。ウチもなんか知らんうちに勇者を溺死させてたみたいなんで、やったことあるンすけど。テキトーに暴れてたらあっちが勝手に溺れ死んでくれたんで、ウチの場合は楽だったっスよ」



カノンは先程まで海を荒らし回っていたリサことレヴィアタンとまともに戦うことを想像し、苦笑いをした。




「私も、楽だといいんですけど……何か、アドバイスとかありますか」

「そうっスね、やっぱり自分の得意な場所で戦うことスかね。海の上だとウチ最強なンすけど、陸上だとウチ、このL.I.S.A.、リサの姿で戦わなきゃなんで。やれることが限られちゃうンすよね」

「える、あい、えす、えーって、何かのキャラですか?私、この体は私がバーチャルアイドルやってるときので」

「あー、道理でカノンってなんか聞いたことあると思ったっス。自動音声、ってやつに声を提供したことあるンすよね、ウチ。そンときのイメージキャラクターが一番人の印象に残ってたみたいで、この姿に転生したンす。まあ、悪くないスよね」

「そうですね、ちょっとえちちですけど、リサさんの元気な感じと合ってていいと思いますっ!」



二人の悪魔が楽しげに会話を交わす中、その場に居る人間は全く言葉が挟めずにいた。



「あの二人が使っている言葉……一度も聞いたことがないわね。カノンちゃんが多数の言葉を操れるのは知っていたけれど、あれは……悪魔語、かしら」

「ルーティが分からないなら、多分誰もわからないと思うの」

「ごめん……日本語はちょっと……わかんないや。スシ?サムライ?」


二人の日本語で交わされる会話に、地球から転生してきたフェーベを除いた一同は、悪魔の言語はこのように独特な発音をするんだなと勝手に納得していた。



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