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明日は最高の演奏にしたいなって思います

演奏の途中であったが、カノンは「ごめんなさい、先輩から大事な連絡がっ!」とルーティに謝り、キーボードの蓋を開けてメッセージを開く。



「カノンちゃん、大変なことになっちゃったね。。。まさか、あのセルゲイに最初に目をつけられるなんて。セルゲイは、この前戦ったよわっちいやつとはワケが違うよ。タカシとかいうやつは召喚されてからなーんもせずに女の子といちゃいちゃしてただけっぽいけど、セルゲイはずーっと魔物や人間と戦い続けてたから本っ当に強い!今日は作戦会議したいから、20時に前会った場所で話し合いたいな」



ミケもセルゲイとカノンが戦うということについて、「大変なことになっちゃった」と思っており、心配しているらしい。

カノンは次のようにメッセージを送信した。



「あの怖そうなおじさんと戦うなんて考えたくもないですけど、みんなと一緒ならだいじょうぶなんじゃないかなって思います。でも、頭の良さそうなルーティさんがすっごく心配してるので、作戦はしっかり立てたいですよね。セルゲイって人についてよく知ってるみたいですし、今日はルーティさんっていうこの世界で新しくできた仲間と一緒に行こうとおもいます。まだミケさんとの関係は詳しく話してないですけど、ルーティさんはゼノビア王国とセルゲイっていう人がまあまあ嫌いで、やっつけてやりたいなーって思ってると思うので、協力してくれるんじゃないかなって!では、20時に、ネプテュヌス港の待合室で!」




カノンは前回ミケに会った時に中途半端なタイミングで別れることとなったので、その時話したかったことをいっぱい話したいという気持ちで画面に指を滑らせていた。ルーティ、ミケらの警告に反して、カノンの心境は楽観的であった。




「今日の20…えー、ティモに、悪魔の先輩のミケさんって人と作戦会議するんですけど、ルーティさんも来れませんか?セルゲイって人の対策、完璧にしたくって」


ルーティが心配そうな”音”を出しながら演奏しているので、ミケと相談することによってその不安要素を取り除けたらいいな、という思惑でカノンはルーティも誘うことにした。


「悪魔の先輩…カノンちゃんを育ててくれた先輩なら、頼りになりそう。セルゲイの対策、ね。数十年間、過去数回に渡って何百人規模のクーデターが起きたのに対して、それを独力で鎮圧してきたヤツに、正面から挑んでも絶対に負けると思うわ。カノンちゃん、色々なからめ手を使えるのよね。一つ一つ確認して、セルゲイに効きそうなものを考えていきましょう」

「はい!たぶん、私の調子を狂わせてくる音みたいなのをなんとかして、あの魔力のでっかい壁みたいなのをどうにかすれば勝てると思うんですけど。たかしって人を倒したあれで、なんとかなりませんかね」

「セルゲイを倒すためのクーデターでは闇属性魔法使いが多数動員されたのだけど、全員セルゲイの魔力の波動でかき消されてしまった覚えがあるわね。セルゲイの魔力の壁を壊すのは、容易ではないと推測されるわ。とはいえ、カノンちゃんの攻撃手段は魔力を乗せた”音”だから…やってみないとわからないわね。その、先輩ならよく知ってるんじゃないかしら」

「うーん…なんか、難しい話みたいですね!ミケさんに、いろいろ確認しようと思います」



二人は宿の食堂で軽く昼食を摂ると、明日の演奏に備え練習を再開していく。ミケとの作戦会議が行われるというビジョンが立ったためルーティの心配は少しやわらぎ、演奏も午前中よりリラックスした状態になった。



「…うん、ルーティさん、昨日と今日ですっごくうまくなってますね!なんだか、一緒に演奏してると風さんと楽しく遊んでるような、そんな感じになってます!」

「あら、ありがとうカノンちゃん。ジョセフに『風になれ、風を表現しろ』ってずっと言われてたのを少し思い出しちゃうけど、カノンちゃんに言われると素直に嬉しいわね」

「合わせれば合わせるほど、楽しい曲になって、楽しい演奏になっていく気がします!…あ、私の音とルーティさんの音が微妙にズレてるところの掛け合い。あそこだけ難しいので、部分練習したいです!」

「ええ、私もそこは気になっていたわ。一つ一つミスがないように、確実に仕上げていきましょう。私達が合わせる相手は、即興で全くのリズムの狂いがない演奏を見せる、プロなんだから」

「クロさんの演奏もすごいですけど、ルーティさんだって、みんなを感動させる演奏ができてると思いますよ!明日は、最高の演奏にしていきましょう」

「ええ、そうね…本当はこんなのんきに構えるべきじゃないかもしれないけど。カノンちゃんの能力を考えると一番すべきことは楽器の演奏だろうから、今日は一日修行していきましょうか」

「あぁ~そういう見方もありますね!楽器を演奏するだけで強くなれるなんて、ちょっとお得な才能をもらえたのかもしれません。ミケさんに、感謝しないとなあ」




二人は夕食の時間まで、楽器の演奏をしていく。時計が15:19を示した頃に、二人の合奏は完璧なものになったとカノンは判断した。それは寸分の狂いもなく、それでいて自由に、無造作に、奇妙に整った合奏であった。



カノンは明日披露すべき演奏が完成したので、宿を出る19:30までセルゲイとの戦いに向けて”調律”スキルを使うためのプリセットを用意していた。タカシの能力を使うことは非常に、非常に気の乗らないことであったが、”変化”スキルとの合わせ技を考えていた……



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