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ミケさんとはこれからも仲良くしたいと思います






カノンは、眠い目をこすりながらベッドから起き上がる。掛け布団は起きた拍子に乱暴に投げ飛ばされ、半分以上ベッドからはみ出ていた。

「…ミケ、さん?そうです、今ちょっと疲れてるのでかんべんしてください。その、魔力もご覧の通りからっぽです」

言うとカノンは、抱き枕のようにしていたキーボードの蓋を開け、「ステータス」を表示させる。MPは、20しか残っていない。

「あ~、そのことについて説明しにきたんだよね。ほら、そのキーボードのこと。結構魔力使うでしょ?」

ミケは、ベッドに腰掛ける。

「そうかもしれませんけど。私、やっぱり魔力が多いみたいなので、なんとかなりそうです。でも、色々あって今日はミケさんにあげられる分の魔力がなくって…」

カノンは"契約"のことを思い出し、申し訳無さそうにうつむく。

「そのキーボードさ、実は使うたびにアタシの元に魔力が行くようになってるんだよね。だいたい使った魔力の半分くらいかな?いや~、転生して初日でここまでの魔力が来たのは初めてなんだわ!カノンちゃん、有能~」

ミケはいたずらっぽく笑いながらこう言った。

「え、なんですかそれ!めちゃくちゃ騙されてた!私の最大MP、実質600とかなんですか!?」

カノンはゲームっぽいことになると、途端に頭の回転が早かった。

「まあまあそう言わずに。色々あったってことはさ、そのキーボードが無いとか~な~りヤバい事態に遭ったってことなんじゃん?聞かせて聞かせて~」

ミケはベッドの上に座り込んでいたカノンの肩に手を回し、そう言った。

「それはまあ…そうですけど。食べ物を探して森に行って、なんとか食べられそうな物を見つけて食べてたら、でぇっっっかい力のかたまりみたいな音が聞こえてきて。で、その食べられる草も急に爆発しだしてもう私本当に泣きそうで、ていうか泣いて…その力のかたまりみたいなのがこっちに向かってきたから『調律』ボタンを押せばなんとかなるかなって思ったらならなくて…周りがなんかもう死ぬほどグッチャグチャに壊れてきてて私もうこれ死ぬ!!って。一心不乱でそのときカデンツを弾いたんです!何年ぶりですかね、カデンツなんて」

カノンは今日の冒険を感情豊かにミケに伝える。ミケはうんうん、と笑顔で頷いている。

「そしたらそのでっかい力のかたまりみたいなのの動きが止まったんですよ!もうそいつがムキムキで顔もいかつくて、今にも襲ってきそうでヒヤヒヤしちゃいました」

「周りをグッチャグチャに壊すムキムキのやべ~やつかぁ。サトちゃんのとこのギリギリくんかな?」

「あ、そうです、ギリアムって言ってましたその人。動きがおとなしくなってからはなんかその人優しくて。ここまで送ってもらっちゃいました!今度会ったらなにかお礼しないとかなあ」

「ギリギリくんを大人しくさせるなんてやっぱりカノンちゃん天才~。サトちゃん会う度にギリギリくんの自慢するんだもん、『ギリアムが居れば一生喰う魂に困らんわ』っつってさ!」

ミケはデスボイスみたいな声でサトちゃんとやらのモノマネをした。あんなに筋肉がすごい人に契約させる死神なんて、どんな筋肉モリモリマッチョマンになってしまうんだろうかとカノンは思う。

「そんなにすごい人にいきなり出くわしてもなんとかなったし私、これから先もなんとかやっていけそうですね!」

「うんうん!カノンちゃん、マァジ天才だしね!」

「はいっ!私、天才ピアニストのカノンですから」

二人は笑顔で見つめ合う。初めて会ったときとは比べ物にならないくらい明るくなってよかった、とミケは思った。


二人はそれから、他愛もないことを話し合う。なんでもミケはその手鏡で、地球のインターネットに接続出来るようだった。え、じゃあじゃあこれは知ってる?あれは見た?聴いた?と、二人はゲームやアニメの話でかなり盛り上がった。

「じゃあ私、次の『裁判』あるからもう行くね~。えとなになに、多大な魔力と攻撃力を有して転生したものの18でクスリに手ェ出して女を薬漬けにして飽きたら殺してたってこいつ、やっぱ地獄行きしかなくね?死因ヤク中だってさ!ウケる」

ミケは手鏡を眺めながらベッドから立ち上がり、そう言った。ミケの仕事は、誰でも転生させてあげるというわけではないようだ。

「あぁ~はい!おしごと、頑張ってきてください」

カノンは笑顔で手を振ると、ミケの姿はフッ…と煙のように消えた。

「なんていうか…あったかかったな、ミケさん」

カノンはそう振り返ると、一気に眠気が押し寄せてきた。ミケと触れ合ったことの安心感もあるのだろう、カノンは布団を寄せると、泥のように眠った。


おねロリは神(結びの句)

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