表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/82

試合の行く末を見守ろうと思います


「……久しぶりに楽しい戦いになりそう。本気でいくね」

「のぞむところなの!」


「それでは決勝戦、フェーベ・フライブルク選手対、デイジー・ティナト選手の試合を始めます。セット…ファイト!」


戦闘が始まると同時に、デイジーは赤と青の二股に別れたレーザーをフェーベに向かって発射する。すると、フェーベは宙返りをするような、剣舞を踊っているような動きで俊敏に回避していく。観客から大きな歓声が巻き起こる。


「ほらな!今まであいつに攻撃をまともに当てられた奴なんていないんだ!"ソードダンサー"フェーベさんはやっぱり1着予想がカテぇわ!」

「あまりにも堅すぎて倍率1.05倍とかいうとんでもねぇしょっぱい倍率だけどな…単勝予想だと、払い戻しの場合だってある」

「だからこそ2位3位を当てるのが燃えるんだよな。お前、誰にした?」

「さっきの黒い短剣遣い、あいつは完全にノーマークだったぜ…やられたよ」

「実は俺もだよ…最近全然当たらねえんだわ。才能ねえのかなあ」



「これで…どうなの!」

デイジーは赤と青の2つのレーザーを網を張り巡らせるようにして展開し、フェーベを覆うようにして迫らせる。…それに対しフェーベは、その網に向けてレイピアを目にも止まらぬ速さで振り回す。

すると、フェーベの周りにだけデイジーの張った網に穴が空き、そこからフェーベは一気にデイジーの方へと距離を詰めていった。

「レーヴァテイン・ノヴァ…力を貸してほしいの!」

デイジーは自身の周りに巨大な魔力を纏うと、同じような網を3つ展開していく。それはフェーベの正面、右、左の三方向から襲いかかる。

「……『血肉の宴』で、思った通り。すごく………たのしい」

フェーベは後ろに跳びながら右側の網に穴を作り、そこから突破しようとする。しかし、正面からやってきた赤と青の網は急加速をしていった──フェーベに向かって正面の網だけは、デイジーの手から切り離されず、推進力を持っていた──その端っこに、フェーベの左肩がかすった。

「うっ……!」

フェーベは久しぶりに受けるダメージに、思わず後ずさりをする。

「そこなの!」

デイジーは一気に畳み掛けるように、フェーベ目掛けて光速で貫く赤と青の螺旋レーザーを撃ち抜いた。

すると、フェーベは右斜め前に向かって、これまでに無いほどの跳躍を見せる。デイジーはこの時完全にやった、と思っていたので螺旋レーザーに全力を注いでいた。

すぐさま左斜め前に跳んだフェーベは、デイジーに向かって高速の5連続突きを放つ。

「……ここを連続で突けば、最後…………ッ!?」

すると、そこを中心にボォォォオオン!!と爆発が起きた。デイジーは、この時を狙って自分の体の周りに氷炎の魔力の網を張り巡らせていた…外部からの衝撃をトリガーにして、それは炸裂するようになっていた。

辺りの視界は水蒸気のようなもので埋め尽くされ、観客からは全く様子が見えない。



「ルーティさん、これって…!」

カノンは目を見開いてルーティの方に首を向ける。

「デイジーは氷と炎が瞬時に触れ合うと爆発する性質を利用して、最後の賭けに出たようね。爆発のエネルギーは完全に外に出るようにしてるから、あの爆発ではデイジーは傷を負わないけれど…試合の結果は、どうなったのかしら」

「見てください、蒸気が晴れて行きますよお。勝ったのは…」

リリカはそこに立っていた影を見て、息を飲む。



「…今までの試合で、一番危なかった。……良い、試合だったよ。デイジーさん」

そこにはコロシアムの中央でレイピアを空に向けて掲げるフェーベの姿があった。その足元には、デイジーが目を閉じて横になっていた。


「デイジー選手、戦闘不能!勝者、フェーベ・フライブルク選手!」


観客は10秒ほどの沈黙の後、ワァアアアア!!という大きな歓声で、フェーベの勝利を讃えた。



「フェーベ選手、6度目となる優勝の感想は?」

審判が早速、左の肩を抑えながらも笑顔を作っているフェーベに優勝者インタビューを行う。

「……そうですね…間違いなく、これまでで一番の強敵でした。最後にデイジー選手にとどめを刺せたのは……偶然でした。その時の私の5連続の突きは一点を集中して狙うもの…そこに、3連撃目だったでしょうか…デイジー選手の魔力の網を貫通する手応えがあり、そこで……デイジー選手に決定打を与えることができたというわけです」

「なぁるほど!かぁなりの高レベルな攻防が最後に繰り広げられていたというわけですか!」

「…ええ。もし、最後に放った連撃がデイジー選手の動きを撹乱するために…私が、いつもやる手段ですが…フェイントを交えた連撃であったなら、私はただ吹き飛ばされ…敗北していたでしょう」

「次戦えばどちらが勝つか、わからない、と!いやぁ~今回は白熱した試合をありがとうございました!」

「こちらこそ、応援ありがとうございました。」


フェーベがコロシアムの観客に対して礼をすると、観客からは惜しみない拍手と、デイジーとフェーベの健闘を称える熱い声援が送られたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ