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裸の付き合いは大事なんだと思います





どうしてさっきは、パーティのみんなは「象の子守歌」で眠らず、熊さんだけが深い深い眠りについたのだろうか…。

カノンは疑問を拭えなかった。みんなと勝利の喜びを分かち合いながら、カノンはキーボードの蓋を開け、自分の「ステータス」を確認した。







カノン・ベネデッティ 


HP 20/20

MP 1750/2000

SP 9/11


スキル


"調律のイデア"

調律 LV5

氷魔法 LV1






全体的に能力が向上し──HPとSPは申し訳程度だが──調律のLVが5になり、氷魔法というものを新たに習得していた。

たぶん、"調律"LVが上昇したことにより、調律の対象となるものを選べるようになったのだろう、とカノンは考える。

氷魔法に関しては…"雪が踊っている"を発動させているとき、少しずつ氷の魔力を体に感じていたのをカノンは覚えていた。

おそらく、"雪が踊っている"を何回も重ねがけしたため氷魔法の能力が向上したのだろう。



調律のかかる対象を選べるとあれば、相手にかかったら困る暗示や、味方にかかったら困る状態異常をかけられるような楽曲も、たくさん思いついていく。カノンは、帰ったら早速プリセットに色々登録しようと思った。





「カノンちゃんの魔法のおかげで、ここ一帯の魔物は全員眠ってしまったみたい。デイジー、ここは安全みたいだから、いつものお風呂をお願いできるかしら。」

「任せるの!カノン、ちょっと後ろに下がっててほしいの!」

そう言うとデイジーは、まず螺旋を描いたレーザーを地面に向かって放ち、10人ほどが手を伸ばして入れそうな穴ぼこを作った。そして、左手を空に、右手をその穴ぼこに向け、右手から放った氷でその穴ぼこを氷漬けにした。左手から放たれた炎は、狼煙のように空に上った。その氷は寸分のでこぼこもなく、きれいな平面であった。

そして手からお湯をだぱぁ!と出し、何も無いところに一瞬にして露天風呂が完成してしまった。

「もう数え切れないほどやったから、慣れたものなの!」

氷で出来た浴槽などさぞ冷たいだろう、とカノンはその浴槽をぺちぺちと叩いてみたが、不思議と冷たくなかった。むしろお湯の温度を伝播し、非常に温かい空間が出来上がっていた。氷は温めたら溶け、さらに温めたら水蒸気になるというのは理科の授業でやったはずだが、どういう原理なのだろうか…とカノンは疑問に思った。

お湯は、43℃ほどであったように感じられた。カノンは39℃ほどのぬるいお湯にゆっくり浸かるのが好きであったが、久しぶりのお風呂に入れるらしいということに、カノンは心が踊っていた。

「いつもありがとうございますねぇ、せんぱぁい。あたし、火山でたくさんかいた汗を濡れタオルで拭いただけだと気持ち悪くってぇ、今日は全然集中できませんでしたぁ」

リリカはこのデイジーのお風呂が無いと生きていけないというような様相であった。

「ケガした時はいつも助けて貰ってるから、これくらいは当然なの!」

「あの、私も入ってもいいんでしょうか…?」

「もちろん大丈夫なの!わたし達は4人で一つのパーティなの!」

「わぁ…ありがとうございますっ」

四人はそれぞれ服を脱ぎ、氷で出来た台の上に置いた。三人が着ていた下着は肌にけっこう密着していそうで、暑そうだなとカノンは思った。カノンも生前からずっと使っているスポーツブラジャーを脱ぐと、お風呂に浸かるのであった。



お風呂の入り心地はすこぶる良かった。デイジーが出したお湯は「雪解けレーヴァテイン」の四人を包み込むように、暖めていくのだった。すでに15分ほど浸かっているが、全然お湯が冷めたような心持ちはせず、ほどよく熱い程度の温度がずっと続いていた。

「あの、私悪魔として生まれて初めてこんなにちゃんとしたお風呂に入って。すっごく気持ちいいです!」

「良いですよねぇ~、このお湯…ずっとこうしていたいですぅ」

「決めている通り、お風呂の時間は半ティモまでよ。のぼせちゃうから…それはそうと、カノンちゃん。よぉく見て思ったんだけど、やっぱり人間の女の子と全然変わらないのね」

ルーティはカノンの体をまじまじと眺める。

「は、はは…パリカーって、そういう種族なのかもしれません」

「みんなが喜んでくれると、わたしもすっごく嬉しいの!」

デイジーは浴槽の端から端を背泳ぎで行き来しながら、そう言っていた。赤と青の髪が浴槽の中でふよふよと流れている。浴槽で泳いでいても誰も注意する人は居ないし、そもそもカノンよりもずっと大きい熊が眠ってしまうほどの"調律"を発動させたので、もし仮に注意するような人が居ても眠ってしまっているだろう。




一行はタオルで体を拭き服を着ると、デュラハン馬車の元へと戻った。デュラハンもやはり"象の子守歌"の影響を受けているようで、持っていた自身の頭を地面に転がしてすやすやと眠っていた。

このままでは帰れないので、カノンは"調律"を発動させ、びっくりさせるような音をしたプリセット3「リスト12の練習曲 1」をデュラハンの耳元で流した。その曲はカノンがこの世界で一番最初に聴いた、超絶技巧練習曲 1番の音と同じく、「ドーン!!」という豪快な音で始まるのだった。「リスト12の練習曲 1」は後に作曲者リスト自身の手によって「超絶技巧練習曲 1番」としてリメイクされることになるのだが、最初の音はリメイク前と同じくらい、うるさかった。



「ヌゥゥゥゥウウオォ!?小娘、妙な術を使うなあ!やはりヘル・ドラゴンを喰らうような英雄の使う術は、一味違うといった所か!ハァーッハッハ!!」

地面に転がっていたデュラハンの頭から、あたり一帯に響く大きな声がした。半分くらいの音量で流した「リスト 12の練習曲 1」よりも大きいように思われた。ちゃんとデュラハンは起きてくれたので、四人はクエストの達成報告をしに、帰路へ就くのであった。



R-18の基準が調べても全然わかりません。表現は相当チキったと思いますがダメっぽければご指摘の方よろしくお願いします…

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