2章 変化
ディリアスの一言に私は動揺を隠すことができなかった。
それを不審に思われたのだろう。
ディリアスとオリバーはキョトンとしている。
「…………………そうね。そうかもしれない。
でも、この話はもしディリアスが大きくなってからも知りたいと思っていたらにしましょう。」
声は震えてしまったかもしれないが、どうにか言い切れた。
リニックは悲痛な顔をしていたが、気にしないようにした。
「はい。分かりました。」
ディリアスも幼いながらに何か感じ取ったのだろう。
それ以上の追求は無かった。
「…………っはい!これで暗い話はお終いよ。
もうお昼時ね。ディリアス、一緒に昼食を作ってみない?自分で作った食事は何倍も美味しく感じるのよ?」
「………っっ!はいっ!やってみたいです!」
オリバーは何か言いたげだったが何も言わなかったため了承ととっていいだろう。
「ディリアス、貴方の好きな食べ物はなぁに?
お姉様と一緒に作りましょう!」
「えっと………オムレツが好きです!!」
「そう。じゃあ今日の昼食はオムレツにしましょう!」
「はい!」
執事ズはまだ受け入れられていないようだが、子供の適応能力は流石だと思う。
だが、今はディリアスのために美味しいオムレツを作ろうじゃないか!
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ということで、再びやってきました厨房に!
今だけはお父様が私たちに興味が無くて良かったと思ってしまいます。
「さて、ディリアスは料理したことがある?」
「……いえ、無いです。すみません……」
「謝ることじゃ無いわ!
それなら今日、1つ出来ることが増えるわね。今日は料理記念日だわ!」
「料理記念日…………なんだかとっても嬉しいです!」
「うふふっ!じゃあ始めましょうか。
まず卵を割ってみましょう。……コンコンッ……パカッ……こうやって優しく調理台で割るのよ。」
「やってみます!……コンゴンッ……バキッ……わぁっ!ごめんなさい!!」
「大丈夫よ。失敗は付き物だもの。これは殻を取り除いてスープに入れれば平気よ。だから、出来るまで挑戦しましょう!」
「はいっ!」
その後2回目で成功した。
「わぁっっ!出来ました!!」
「すごいわっ!飲み込みが早いわね、頼もしいわ。」
ディリアスはとても照れていた。
ほんっっと、まじ天使だわぁ。
その間に執事ズにも手伝ってもらいトマトソースを作ってもらいオムレツを野菜や肉を炒めた後に卵を流し込む方法をとって焼いた。
流石に丸めるのは難しいからね。
その後、簡単な野菜スープをディリアスに刃物を使わせるのは危険なため私が下ごしらえを済まし、卵をディリアスに流し込んでもらった。
「ゆっくり、細ーく卵を入れるのよ。」
「はいっ!がんばります!………そぉ〜……とろとろ……どばっ!……ああっ!ごめんなさいぃ〜」
「うふふっ大丈夫よ。卵が大きいものが当たったらその人はラッキーね!」
「お姉様!……ありがとうございます。」
「いいのよ。……では盛り付けをしましょうか。」
「はいっ!」
次回実食です!
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