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2章 変化

やっと、いざこざが終わりそうなのに話を追加してしまった………

「………ははっ………………何をおっしゃっているのか。

貴様が夢で感じたものが長くつづくわけがなかろう。

自分が肌で感じたこと以外は全てまやかしだ。


貴様は飢えたことがあるか?腐りかけの食べ物をゴミから漁り、その程度でさえ人間に犬のように追い払われて、目障りだからと急に殴られたり、可哀想にと同情されて優しくされたかと思ったら急に奴隷商人に売られそうになったり、自分が本当に人間だと思えなくなったりはしたことがあるのか?」


「ないわ。」


「なっ………!?

だから言っただろう?貴様に分かるわけがないと。貴様の夢ごとき絶望でも何でもないと。」


「うふふっ…………………バカにしてんじゃねぇよ」


「「「っ!!………」」」


その場の空気が途端に重くなった、

本当にこの温室育ちの公爵令嬢が出した声なのかと、疑うような声と言葉遣いだった。


「人間か分からなくなる?………そんなもん疑えるだけいいじゃねぇか。飢えを感じた?………んなもん感情が人間らしい証拠じゃねぇか。羨ましいもんだよ。


お前は幸せだよ。そんな感情が得られているのは、自由だからだよ。……………………………………………………………………私は、どんなに辛いものでも貴方のその自由な感性で感じた、貴方が選んで感じた感情が羨ましいわ。


…………それと、夢っていうものをそのまま受け入れるような純粋さは貴族の世界で生きるにあたって捨てたほうがいいわよ?邪魔クセェから。

………あらいやだ。口調が悪くなってしまいました。ご免遊ばせ?」


「…………………………………………………っっ。

分かりました。…………坊っちゃまはどうなさりたいですか?」



「………………僕は。…………まだ、お姉様がこ、怖いですっっ!……でも、お姉様はなんだか、……………………その………」


「ゆっくりでいいわよ。落ち着いて。」


「……っ!はい。今日のお姉様はお姉様じゃないみたいなのです。………何というか、言葉とか態度とかじゃなくて何かが違うような………上手くは言えませんが。


………僕はお父様に興味を持たれなくて、お母様は僕に話しかけてくれなくなって、お姉様は、その……あまり上手くいかなくて、凄く寂しかった。

だから、僕はもっと、な、仲良くっっ!したかったんですっっ!


……あの、その、だから………お姉様が僕のことを見てくれる………………………あ、愛してくれるというなら、お姉様と一緒に居たみたいですっっ!!」


「………坊っちゃま……」


「ディリアス。その…………私、とっても嬉しいわっっ!

あぁ、どうしましょう。私の弟が可愛すぎるわっっ!ディリアス何をしたい?お姉様と何をしたい?何でも言って!ウェルカムよっっ!」


「「「……………」」」


急なハイテンションに3人が呆然としていた。


「あらやだ。ごめんなさい。つい、嬉しくて……

こんな風に私を求めてくれる家族が出来るのは初めてだから。………」


「お姉様は……………お父様や義母様に愛されていたのではないのですか?」


それは純粋な疑問だったようだ。

しかし、ヴィランの心はとても動揺した。

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