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転移-04

「おはよう、キット。」

「おはようございます。」

「飯を食ったら出発だ。夕方までにはこのガラスの平原を抜けるつもりだ。」

「了解しました。夕方までという事は、移動は駆け足ですか?」

「そのつもりだ。ホバーの方が速いが、肝心な時に冷却中で使えないと困るしな。」

「了解しました。」


駆け足と言っても、パワーアシスト機構を利用したオートクルーズなので、走り通しでも体力的にはそれほど疲れはしない。

どちらかと言うと、全く状況が分からない状態で何に警戒すればいいのかも分からないまま、走っても走っても変わらない景色の中で全てに警戒し続ける事による精神的疲労の方が大きかった。

そんな気の滅入る行軍だったが、予定通り明るい内にガラスの平原を抜ける事ができた。


「キット、ようやく抜けたみたいだな。」

「はい、お疲れ様でした。」


体力はそれほど使っていないが、10時間近く脱力し続けるのもなかなか大変だ。

当然、オートクルーズよりも人間の動きが優先されるので、ひたすら脱力しておかなければならないのだ。


「じゃあ、早速、野営の準備だ。」

「了解しました。」


ガラスの平原と違い、遮蔽物となる巨岩が転がっているので多少は安心できる。

野営の準備をしてから利用できそうな資材を探してみたが何も見つけられなかった。

小さな川も流れていたのだが、氷河から流れた水が新たに作った川らしく生物はいなかった。

ふと餓死の文字が頭をよぎったが、あと2日移動すれば、太古より海へと続く大河の支流に辿り着く予定だ。

食糧確保はそこが本番だ。


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夕食は時間を掛けて良く噛んで食べた。

少ない食糧で体力を維持するためと、なるべく満腹中枢を刺激するためだ。

しかし日が落ちるとする事がほとんど無い。

夜行性の動物がいるかもしれないが、統合索敵センサーに任せておけば俺より上手く見つけてくれるので、体力温存が優先だ。




可能性は低いが転移前の出来事に何かヒントがあるかもしれない。

まだ眠気も無く、する事も無いのでこの星に転移する前の事を思い出してみよう。

客観的に考えるのは重要なので、宇宙人が聞いても分かるくらい細かく思い出す事にする。



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