虐殺-06
翌日、一行は再び未明から移動を始めた。
スコは後ろ手に縛られ、足も緩く繋がれている為、移動速度は遅い。
それでも出発が早かったおかげで、定時連絡の時刻にはシェルターのすぐ近くの窪地まで辿り着いていた。
『こちらシェルター、捜索隊どうぞ。』
シオは再び録音した音声データを再生し、無線機の電源を切った。
「これで明日の昼までは大丈夫だな。」
「そうだな。ところで、こいつどうする?」
「あぁ、もう邪魔だな。」
「うー、うーうーーーっ!」
「景気づけに的にでもしようぜ!」
「おいおい、それじゃあ可哀想だろ?逃げ切れたら殺さないでおいてやろうぜ。」
「ははは!サクは優しいな。」
「おい、喜べ。30秒だけ時間をやる。必死に逃げろ。」
「うーーーーっ!うううーーーーーーーーっ!」
「3,2,1,0!さぁ、死ぬ気で逃げろ!」
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「いよいよだな。」
「あぁ、遂に俺達が王様だ!」
「1人当たり50人のハーレムか・・・生きててよかった。」
「よし、出発するぞ。誰かに見られるとまずいから、人質らしくしてもらおうか。」
戦闘服姿のシオ、ケル、クフは武器を受け取り、予備の武器と一緒に岩陰に隠した。
特別な訓練を受けていない彼らにとってこれ以上の武器を携帯するのは体力的に難しかったからだ。
人質役の7名を先に歩かせ、シオ達は少し離れてついて行った。
途中で誰かに見られる事も無く、洞窟入り口近くの岩陰でタイミングを待った。
何も訓練を受けていない者が動き回る900人近い人数を正確に数えるのは不可能に近いが、戦術端末の画像認識のおかげで、全員が広場に出ている事が確認できた。
誰も洞窟の方は気にしておらず、シオ達は作戦通りの位置に着く事が出来た。
それでも念の為に銃で脅すような仕草をしながら、普段着姿の7名を跪かせ両手を頭の後ろで組ませた。
シオは首からスリングで吊るした短機関銃に持ち替えると空に向かって1発撃った。
広場に居る者達が一斉にこちらを向く。
シオは大声で叫んだ。
「聞け!俺達はこの星の支配者、王になる!」
広場からは罵声が返ってきた。
「はぁ?」
「何考えてんだ!」
「馬鹿じゃないの?」
シオは無言で引き金を引き、短機関銃を横薙ぎに掃射した。
人質の腹部から血飛沫と肉片が飛び散った。
「な・・なん・・・で・・・」
「う・・・そ・・・だろ・・・」
「はな・・し・・・が・・・ちが・・・」
人質は信じられないといった表情で呟き、やがて動かなくなった。
”馬鹿な連中だ。”
”なぜ自分達まで王にしてもらえると思ったのか。”
”渡されたのが防刃チョッキと気付かなかった間抜けさを後悔するがいい。”
偽装人質が死んだのを見届けると、シオは再び大声で叫んだ。
「俺達に逆らう者は皆こうなる!王の命令は絶対だと知れ!」
口答えする者は誰も居なかった。
”実に気分がいい。”
「男どもは左、女どもは右に集まれ!」
広場に居る者達はぞろぞろと左右に分かれていく。
”そうだ、奴隷どもは口答えなどせずに従えばいいのだ。”
”最初に王の威光を見せ付ければ統治も楽になるだろう。”
”それでも足りなければ後で何人か見せしめにすればいい。”
シオはケルとクフにアイコンタクトを取ると、レーザー銃の引き金を引きながら薙ぎ払い続けた。
男達が次々と肉塊へと変わり果てていく。
戦術端末によって全員がマルチロックオンされており、逃げ出す者は優先的に撃ち抜かれ、死体の陰に隠れている者は死体ごと撃ち抜かれた。
”これで逆らう者はいないだろう。”
シオは満足げに息を吐いた。
”何という事だ!”
”愚かな女奴隷が俺を睨みつけている。”
”不敬にも王に対して怒鳴りながら近付いてきた。”
”王の偉大さを理解できない愚か者には死あるのみだ。”




