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遺跡-09

「軍曹、出来ました。」

「ありがとう。フロック、フリスト、フルンド、済まんがお前たちの武装を借りるぞ。」


基本装甲を剥ぎ取られた3機に頭を下げた。

突撃する為に前面に即席の追加装甲を施したのだ。

そしてレーザー銃は二丁を括り付け、トリガーからの電圧信号をジャンパー線でもう1丁の方に分岐接続している。

見た目は悪いがこれを左右の手に持つので火力投射量は4倍だ。


ドーーーン、ド、ドーーーーーン!


「ん?何の音だ?」

「崩落でしょうか?」


かなり大きな音が連続して響いてくる。

この辺りは岩山が多いので特に不自然な事ではない。

しかし、妙な胸騒ぎがする。


プシューーーー


微かに何か吹き出す音がした。

しまった!!!

頭部シャッターのスイッチを入れながら叫んだ!


「頭部シャッターを閉めろ!」


しかし遅かった。

上空に広がった気体爆薬が爆発し面状の爆風衝撃波が地上に襲い掛かった。

ランドグリーズ伍長はその圧力をまともに受けてしまっただろう。


頭部シャッターを開けた時、アンチレーザー煙幕は爆風によってすっかり吹き飛ばされてしまっていた。

そして煙幕発生器は衝撃波で壊れてしまったのか、既に煙幕を吹き出していなかった。


「ランドグリーズっ!目を覚ませっ!」


力の限り叫んだ。

サーモバリックの直撃を受ければ眼球や鼓膜は無事では済まない。

おそらく目も見えず、耳も聞こえていないだろう。

無駄と分かりながらも再び叫ぼうとした時、レーザーの軌跡が目に映った。

そして、それはランドグリーズの頭部に直撃し股から抜けて行った。


「くそっ!許さん・・・許さんぞ・・・あいつだけは許さん!」


4丁のレーザー銃を拾い直し、一歩を踏み出した瞬間。

バシュッ、バシュッ、バシュッ、バシュッ

あっけなくレーザー銃は破壊され金属蒸気を噴き上げている。

だが、自分自身への攻撃は無かった。


「くそがぁぁぁぁっ!」


馬鹿にしているのか?

遊ばれているのか?

それとも嬲り殺しにでもするつもりか?

許さん!

体当たりだろうとパンチだろうと何でもいい。

あいつにだけは1発当てる!

たとえ生身になっても諦めるものか!


ドォーーーーン!


衝撃波が全身に突き刺さった。

既に事切れていたランドグリーズが砲撃され、背面からパーツを飛び散らせながら崩れ落ちた。


何故だ!何故だ!何故だ!

死者に鞭打つ必要がどこにある!

撃つならわたしの方だろう!


全速力で走り始めた。

反射レーザーの攻撃は無かった。

その代わり、あいつが狙撃してきている。

さっきまでとは威力は桁違いで狙いも正確だ。

武器として使えそうなものは悉く蒸発させられた。

即席の追加装甲も紙のようにまとめて貫かれる。

すでに錘でしかない追加装甲をパージした。

あいつの気が変わる前に辿り着かなければならない。


------------------------------


殆どのアクチュエーターが破壊された。

片脚が辛うじて動くだけだ。

それでも少しづつあいつに近付いている。

あと100mだ。


ドンッ!


遂に脚のアクチュエーターが破壊された。

ここからは自分の足で進むしかない。

超振動ブレードを手に機体から降りた。

そして、自らを鼓舞するように叫ぶ。


「お前は絶対に殺す!」


威勢のいいことを言ったが、わたし達は非力だ。

基本設計として人を傷つけない事が重視されていて、動力源もMETでは無く内蔵バッテリーが採用されているからだ。

その為、両手を使っても超振動ブレードを構えて走るような事はできない。

切先を地面に擦りながら、足をふらつかせながら、それでも、あいつに一歩ずつ近づいて行く。


伏撃ちの構えをしていたあいつが銃を置いて立ち上がった。

そしてわたしに近付きながら左腰の剣を抜いた。

鉄の剣だった。

あれ程の威力を誇るレーザー銃を持ちながら、骨董品を取り出してきた。

つまり、あいつは、わたしをその程度の相手だと言っているのだ。


「なめるなっ!」


感情が昂ぶり叫んだ。

両脚で地面を踏みしめ、超振動ブレードのスイッチを入れながら全力で叩きつける。

骨董品を苦も無く切断してやった。

あいつが慌てて避けるのが見えた。

少しは溜飲が下がった。

もう一撃、そう思った瞬間だった。

超振動ブレードが吹き飛ばされ、わたしの両手は粉砕された。

続いて蹴り飛ばされながら両肩と両股関節が銃弾で破壊され、地面に転がされた。


せめて一発くらいは叩き込みたかったな・・・

でも、もう、無理だ。

立ち上がる事すら出来ない。

みんな、すまん、仇は討てなかった。

機密情報を渡す訳にはいかないからな、みんなで一緒に逝こう。


自爆に気が付いたのか、あいつが必死に逃げて行くのが見えた。

巻き込まれるのが怖いのだろう。

少しはやり返せたのか?


「は、はは、はは、ははははははははは!」


何故か笑いが止まらなかった。

笑いながら強制自爆信号を最大強度で発信した。

これで全滅した事は司令部にも伝わるだろう。

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