近所のおばちゃんは、僕の本当のお母さんだった!
『僕は産まれた時から、何の疑いもなく生きてきたと思う。』
僕の名前は 『吉野 陸斗』 21歳で近所の酒屋さんで働いている。
夜になると、、、?
ここの酒屋さんは、立ち飲み屋に変わって僕の親父や近所の人たちが
よく飲みに来る。
僕の親父は、僕を男手一つで育ててくれた。
僕の母親は、僕が産まれて直ぐに病気で亡くなったと親父から聞いている。
だから僕は、近所のおばちゃんが僕の母親代わりみたいなもんで、、、。
今、働いている酒屋さんがそのおばちゃんのお店だ!
僕や親父とも昔から仲がいいし、僕にとって本当のお母さんみたいな人だ!
*
【僕が小学1年生の時に初恋をした女の子がいた時も、、、。】
『陸斗! アンタはかっこいいよ~ 思い切ってその子に『告白』してみれば!
男の子なんだから~ 好きな子に告白も出来ないなんて! カッコ悪いよ!』
『ううん。』
僕は勇気を振り絞って、その女の子に【告白】するも、、、撃沈。
『ごめんね私、陸斗くんの事、、、友達以上は見れないよ!』
『えぇ!?』
『ごめんね。』
『ううん、』
その事をおばちゃんに言うと、、、!
『偉いね! 勇気を振り絞って! その子に告白したのかい? 偉い偉い!』
そう言うと、、、? 僕を強く抱きしめてくれた。
物凄く、ギュッて抱きしめられて苦しかった記憶が残っている。
それでもめちゃめちゃ嬉しかったな~ おばちゃんが僕の為に流してくれる涙も。
▽
【僕が小学5年生の時の運動会、50メートル走で僕は2位だった!】
『陸斗! 悔しかったよね! いっぱい練習したのに、2位なんてね!
本当は1番になりたかったんだよね! おばちゃんにはわかるよ!』
そう言うと、、、?
また、おばちゃんは僕をギュッと強く抱きしめた。
おばちゃんは、僕の代わりに涙を流してくれた。
僕が泣かなかったからだろうな...!
痛いし苦しいけど、、、僕が物凄く癒される場所はおばちゃんといる時間だと
思っている。
▼
【僕が中学を卒業して高校に上がる頃から、、、? 思春期だし反抗期で親父
に反抗し始めた頃、、、。】
『陸斗! アンタ、お父さんになんて事を言うんだい!!! アンタのたった
一人の父親なんだよ!』
『おばちゃんには関係ねえーだろう! これは! 親子の問題なんだよ!』
『私にだってあるわよ! 私はアンタの......。』
『なんだよ! 他人なんだから、口挟んでくんな!』
『陸斗、、、。』
今思うと、、、? おばちゃんに酷い事を言ってたんだと反省している。
▽
【そして今、おばちゃんと親父から大切な話があると言われた!】
『実はな陸斗! 大切な話と言うのは......。』
『なんだよ! 親父! そんなに畏まって、、、。』
『陸斗! おばちゃんはね、本当は、、、アンタの本当のお母さんなんだよ!』
『えぇ!? 何言ってんだよ! そんなはずないよな~ 親父...?』
『いや? 澄子さんの言う通りなんだ! 本当のお母さんはここにいる澄子さん
なんだよ! 済まない、今まで黙っていて...!』
『えぇ!? じゃ、亡くなった母さんは、、、? 僕と血が繋がってないって
言う事なの、、、?』
『あぁ、本当にお前と血が繋がっているのは澄子さんなんだよ!』
『陸斗、ごめんね! ずっと黙っていて、、、!』
『そんな、、、。』
『直ぐには受け入れられないと思う! ゆっくり時間をかけてわかってくれれば
それでいいから、、、!』
『ごめんね、ごめんね、ごめんね、陸斗...。』
『......』
▽
...実は、なんとなく分かっていた。
おばちゃんが、僕の本当のお母さんなんじゃないかと、、、。
近所の人たちが、何回かウワサ話をしているのを聞いた事があるからだ!
『吉野さんと澄子さんって、、、昔デキていたらしいわよ~!』
『えぇ!? そうなの? 二人の間に生まれたのが陸斗クンらしいわねぇ~!』
『本当のお母さんが澄子さんだって! もし、、、陸斗クンが知ったら?
どう思うのかしらねぇ~』
『本当にそうよねぇ~』
だから、本当のことを言われた時もあんまりビックリしなかった。
それに、なんとなくおばちゃんに僕は似ている。
【目元とか? 鼻とか?】
*
僕はそれから、おばちゃんを呼び出してこんな事を言った。
『あのさ! 実は、知ってたよ! おばちゃんが本当のお母さんだって事!』
『えぇ!?』
『だから、気にしないで!』
『陸斗...。』
『......お母さん、もう泣かなくていいから!』
...僕がそう言うと、、、?
おばちゃんは泣き出してしまった。
今度は、僕がおばちゃんを、、、いや? お母さんをギュッと強く抱きしめた。
『何時も、ありがとう! これからもよろしくね! お母さん。』
『...ううん、ううん、わかったわ。』
【今では、本当の僕のお母さんになったおばちゃん! ありがとう。】
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