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近所のおばちゃんは、僕の本当のお母さんだった!

作者: 七瀬



『僕は産まれた時から、何の疑いもなく生きてきたと思う。』



僕の名前は 『吉野 陸斗』 21歳で近所の酒屋さんで働いている。

夜になると、、、?


ここの酒屋さんは、立ち飲み屋に変わって僕の親父や近所の人たちが

よく飲みに来る。


僕の親父は、僕を男手一つで育ててくれた。

僕の母親は、僕が産まれて直ぐに病気で亡くなったと親父から聞いている。


だから僕は、近所のおばちゃんが僕の母親代わりみたいなもんで、、、。

今、働いている酒屋さんがそのおばちゃんのお店だ!


僕や親父とも昔から仲がいいし、僕にとって本当のお母さんみたいな人だ!





【僕が小学1年生の時に初恋をした女の子がいた時も、、、。】


『陸斗! アンタはかっこいいよ~ 思い切ってその子に『告白』してみれば!

男の子なんだから~ 好きな子に告白も出来ないなんて! カッコ悪いよ!』

『ううん。』


僕は勇気を振り絞って、その女の子に【告白】するも、、、撃沈。

『ごめんね私、陸斗くんの事、、、友達以上は見れないよ!』

『えぇ!?』

『ごめんね。』

『ううん、』


その事をおばちゃんに言うと、、、! 


『偉いね! 勇気を振り絞って! その子に告白したのかい? 偉い偉い!』

そう言うと、、、? 僕を強く抱きしめてくれた。


物凄く、ギュッて抱きしめられて苦しかった記憶が残っている。

それでもめちゃめちゃ嬉しかったな~ おばちゃんが僕の為に流してくれる涙も。




【僕が小学5年生の時の運動会、50メートル走で僕は2位だった!】


『陸斗! 悔しかったよね! いっぱい練習したのに、2位なんてね!

本当は1番になりたかったんだよね! おばちゃんにはわかるよ!』


そう言うと、、、?

また、おばちゃんは僕をギュッと強く抱きしめた。

おばちゃんは、僕の代わりに涙を流してくれた。

僕が泣かなかったからだろうな...!



痛いし苦しいけど、、、僕が物凄く癒される場所はおばちゃんといる時間だと

思っている。




【僕が中学を卒業して高校に上がる頃から、、、? 思春期だし反抗期で親父

に反抗し始めた頃、、、。】


『陸斗! アンタ、お父さんになんて事を言うんだい!!! アンタのたった

一人の父親なんだよ!』

『おばちゃんには関係ねえーだろう! これは! 親子の問題なんだよ!』

『私にだってあるわよ! 私はアンタの......。』

『なんだよ! 他人なんだから、口挟んでくんな!』

『陸斗、、、。』


今思うと、、、? おばちゃんに酷い事を言ってたんだと反省している。




【そして今、おばちゃんと親父から大切な話があると言われた!】


『実はな陸斗! 大切な話と言うのは......。』

『なんだよ! 親父! そんなに畏まって、、、。』

『陸斗! おばちゃんはね、本当は、、、アンタの本当のお母さんなんだよ!』

『えぇ!? 何言ってんだよ! そんなはずないよな~ 親父...?』

『いや? 澄子さんの言う通りなんだ! 本当のお母さんはここにいる澄子さん

なんだよ! 済まない、今まで黙っていて...!』

『えぇ!? じゃ、亡くなった母さんは、、、? 僕と血が繋がってないって

言う事なの、、、?』

『あぁ、本当にお前と血が繋がっているのは澄子さんなんだよ!』

『陸斗、ごめんね! ずっと黙っていて、、、!』

『そんな、、、。』

『直ぐには受け入れられないと思う! ゆっくり時間をかけてわかってくれれば

それでいいから、、、!』

『ごめんね、ごめんね、ごめんね、陸斗...。』

『......』




...実は、なんとなく分かっていた。

おばちゃんが、僕の本当のお母さんなんじゃないかと、、、。

近所の人たちが、何回かウワサ話をしているのを聞いた事があるからだ!



『吉野さんと澄子さんって、、、昔デキていたらしいわよ~!』

『えぇ!? そうなの? 二人の間に生まれたのが陸斗クンらしいわねぇ~!』

『本当のお母さんが澄子さんだって! もし、、、陸斗クンが知ったら?

どう思うのかしらねぇ~』

『本当にそうよねぇ~』



だから、本当のことを言われた時もあんまりビックリしなかった。

それに、なんとなくおばちゃんに僕は似ている。

【目元とか? 鼻とか?】




僕はそれから、おばちゃんを呼び出してこんな事を言った。


『あのさ! 実は、知ってたよ! おばちゃんが本当のお母さんだって事!』

『えぇ!?』

『だから、気にしないで!』

『陸斗...。』

『......お母さん、もう泣かなくていいから!』



...僕がそう言うと、、、?

おばちゃんは泣き出してしまった。


今度は、僕がおばちゃんを、、、いや? お母さんをギュッと強く抱きしめた。


『何時も、ありがとう! これからもよろしくね! お母さん。』

『...ううん、ううん、わかったわ。』




【今では、本当の僕のお母さんになったおばちゃん! ありがとう。】





最後までお読みいただきありがとうございます。

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