勘違いの騎士と賢い従者Ⅴ
某漫才コンビのパロディー、第五弾です。これでラストにします。
反省はしてますが、後悔はしていません。
「昨日の晩、そうだ! 小説家になろう、というサイトで」
「そうだ! が余計だよ。京都に行こう、みたいに言わないで」
「いろいろ調べてたら、面白い作家さんを一人見つけたんですよ」
「というと?」
「IDECCHI51さんって知ってます?」
「今更だね。ここまで、何かといじってきたじゃないか。特に、初回で」
「今日はIDECCHI51さんについて調べてきたので、お話しさせていただきます」
「大丈夫かな」
「IDECCHI51さんは、国鉄の前身である鉄道省が設計と製造をした、単式二気筒で過熱式のテンダー式蒸気機関車で」
「ん?」
「主に貨物輸送のために用いられ、太平洋戦争中に大量生産されたこともあり、国鉄における所属総数は千両以上と、日本の機関車一形式の両数では最大を記録し、この記録は、現在も更新されていません」
「誰かと思ったら、D51の話か。ついに無生物になっちゃった」
「で、このデゴッチさんは、ですね」
「勝手に混ぜないで。イデッチさんだから」
「一九八五年の生まれで、えーっと、だから乙女座で処女なんですけど」
「どういう方程式に当てはめたんだ。違うでしょう。イデッチさんは八月二十八日生まれで乙女座だけど、男性です」
「シーッ。それは、JAXAのトップシークレットだから」
「そんな訳ないでしょ。最重要機密なら、堂々とプロフィール欄に誕生日を載せるな」
「本名はペンネームと似ていて、伊達賢一というのですが」
「違う違う。それは、自叙伝風小説の主人公だから」
「ああ、そうでした。たしか『放課後エッチ・エロス』というタイトルで」
「HEROESだよ。変なところで区切らないで」
「え! ドSな美少女が出てくるアニメが好きなドMさんのことだから、てっきり」
「風評被害を広げるんじゃない。それは、夢学無岳さんが勝手に分析した、独断と偏見に基づく結果だから」
「……変質者っぷりは、どっこいどっこい」
「コラ。たとえ小声でも、そういうことを言うんじゃない」
「失礼しました。イデッチさんは、陰陽五行論に則って『赤髪Magic☆Girl』を創作した、大先生ですものね~」
「……ちょっと皮肉を感じるけど、まあ、いいや。続けて」
「シリーズでは他にも『Cocoro Station-707-』というエスエフ作品がありまして、通称『ココス』と呼ばれています」
「ココステ、だよ。ファミレスみたいに言うな」
「ちなみにイデッチさんは、生まれ育ちが広島で、カラオケで恥ずかしげもなくユニフォームを着て応援歌を熱唱した動画を公開するほどのカープファンであり、本業は、ほぼ介護士です」
「いや、正真正銘の介護士だよ。疑問を挟む余地が、どこにある?」
「だって、資格試験で二点足りなかったんでしょう? 色々オープンな割には、職場のことだけは、ひた隠しにしてるし、怪しいな~」
「疑うなよ。今年のホワイトデーに若松ユウとかいう作家の末席を汚し続けてる端くれが、神戸で会ったことあるらしいけど、素性は、ちっとも怪しくなかったそうだ」
「ふ~ん。あっ、そうそう。イデッチさんは、人気投票、ラジオ番組、ホラー企画など、なろう界に限らず、AREA51という未知領域で様々な活動を展開されてまして」
「いやいや、本拠地はネバダ州の空軍基地じゃないから」
「シーッ。それは、NASAのトップシークレットだから」
「そんな訳ないでしょ。最重要機密なら、堂々とプロフィール欄にURLを載せるな。そろそろ、まとめて」
「それでは、今から我々の漫才を、ご覧いただきましょう」
「まだ、始まってなかったのかよ。いい加減にしなさい」
「「どうも、ありがとうございました」」
IDECCHI51様、夢学無岳様、たびたび申し訳ございません。