二話「生きる術」
二話「生きる術」
人間、衣食住ほど大事なものはないと思う。
いや、むしろ、それ以外に大事なものってあるだろうか。
肉親?そんなのただ血のつながるだけの、そこら辺の人間と同じだろう。何に必要とするのだろうか。
仕事?いやなんのために。所詮そんなのは集団行動のできる動物たちが寄ってたかって群をうまく回すための、歯車共に組織分担に過ぎない。しかし、個々の能力でどうこうってのは理解ができる。だが、ちとまあ、倫理を押し付けすぎてるように私には見えるが。
金…いや、あれは衣食住を回すためのブツに過ぎない。…少なくとも、私から見れば。
愛?すみません私宗教やってないんです。悪魔って言われてますが。
…うん。結論的にはこれ以上のものは無いな。ああ。
私は、そんなことを考えながら、森の外れにある、自宅のドアを無造作に開ける。
冷たいドアノブのその感触は、冬にはどうもキツイ。
夏場はいくら冷たくても良いんだが…。
とはいえ、この冷たいドアノブの試練さえ乗り切れば天国だ。
温かい風呂もあれば、布団もある。
私はこの生活に満足している。
…まあもうちょっと、美味い飯が食えればいいんだけどな。
とりあえずは、家に入る。暖房も何もつけずに家から出たもんだから、廊下は冷え切っており足を殺しにさえかかってきてる。
「…良いよな贅沢ができる連中は…」
そんなことをつぶやきながらリビングへと向かい、置いてあるコンソメポテチの安否を確認しそれを乱雑にかっさらってから、
ソファに寝そべり、テーブルの上にあるリモコンを手に取った。
ゴム製の感覚の良いボタンを、適当に押すと、まあ、やっぱり何処もやってないか…
いや、そう思った。私は…
「…ッ、ああ…」
状況はすぐに読み取れた。
思わず私は口角を吊り上げ、笑い声を混ぜた吐息を吐く。
『Infero=Divalead、赤髪の悪魔大殺戮事件』
これの、事件名は、意図もたやすく、私の視界に入り、そのあとに追い打ちをかけるかの様に、今度は耳にその事件名が入る。
もはや煩いよ…?緊急報道って言っても…
「ええ…では、ヘリコプターからのカメラ撮影の映像を見ていただ…っ、失礼しました。」
「あ、噛んだ。」
私のせいじゃない、これに至っては私のせいじゃない。
緊急報道させた私じゃなくて、噛んだソイツが悪い。
はーいと言う事で私は責任をとらない形で可決いたしました。うん。
「しっかし…ビビってるもんだねェ…?」
…映像は、確かにまぎれもなく私だった。
ナレーションは、酷く私を人外の様に物語っている。
そう、まるで、この世界に「存在してはいけない怪物」を扱うかのような…
「ッヒヒ、あっははははははっ、ふふっ、ヒ、っははははははっ!!」
思わず、声の入った笑いがこみあげてくる。
ああ、なんて、何て下らない。
悲劇名詞か?いやいや、こんな面白い物、こんなゲームが…
これは何て喜劇?
悲劇だなんて勿体ない。
私は、これを悲劇とは呼ばない。
これは私の最高の、一人の人間の人生と呼ばれるそれの、傑作なる遊戯だ。
ー…
Inferno=Divalead
赤髪の悪魔大殺戮事件〈2013~18〉
長くにわたり、大量の殺人量、そして残虐性により世界を恐怖に陥れた殺人鬼。
第一部主人公。多分一番これが短い。
甘党。重症なる甘党。んでもって少々訳の分からない性格をして、
悪魔、と呼ばれるそれになり、自らが世界を震え上がらせることに悦びを、そして愉しみを覚え、世界のその姿を嘲笑気に見ている。
ちなみに地毛は赤ではなく、黒みがかった茶髪で、毎回落ちやすいタイプの染毛剤を使い、それで髪を染めている様子。
実はかなりの美形らしい
この事件が、後の災厄の発端となり、火種となった。
Infe彼奴一体何がしたいんだよ。
と言う事でどうもこんにちは、相変わらずのつまらない小説ですが、楽しんでいただけたでしょうか。
文才がほしい…評価のなさは実力どうこうとは、名神ではないらしいな…(遠い目)
まあ、まだ慣れていない所もあり、不足があったら教えていただけると幸いです…!!