メローヴィス王国領(6)~町の外に出たら黒騎士にやられる!そしてあの神父の、神様の正体とは…。~
町の外に出た。城下町は大都市だが、ここもやはり都市国家のようであり、一歩外に出ると、本当に何もない、だだっ広い平原が広がる。
「それにしても、このメローヴィス王国というところは、こんなに広いところなのか。」
と、その時、突然黒い馬に乗った、黒騎士が突進してきた。
最初は何か、悪い冗談だろうくらいにしか思っていなかったわけだが、
黒騎士は僕らの方に向けて突進してきた!
僕は黒騎士をよけようとした。しかしよけきれなかった。
だめだ、よけきれない…。
黒騎士が迫る。そして黒騎士は、僕に向けて槍を突き刺す。
ドガッッ!!ドスッッ!!
たしかに、突き刺された時の感触はあった。
「うっ…、ぐっ…。」
僕の体から血が吹き出すのがわかった。そしてその血が、僕の手について、僕の手を赤く染めていた。
「なっ、なんじゃこりゃあーーっ!
うぐおおおーっ!おああああーっ!」
僕はまた、死ぬのか…。
その後、意識がもうろうとする中で、黒騎士が他の仲間たちを突き刺していくのを、僕はただ見ていることしかできなかった…。
「う…、ああ…。」
黒騎士は、あっという間に僕ら4人を突き刺し、それが終わると、立ち去っていった。
いったい、あの黒騎士とは、何者だったのか…。
まるで死神のような…。いや、あの風貌は、間違いなく死神だ。
あの黒い兜の下は、屍だった…。
僕らは何が自分たちの身に起きたのかもわからないまま、意識を失い、そして息絶えた…。
僕らはその戦いに敗れ、全滅した。
戦闘不能状態。もはや虫の息の僕らだった。
その時、異変に気づいた。
「…これは…、まさか…。」
その時だった。時空のひずみが生じたのだった。
僕らのパーティーは、その時空のひずみに飲み込まれていった。
「うわあああーっ!」
そして気がついた時には、再び一番最初の場面に戻るのだった。
僕らが再び気がつくと、そこはまたも、無人島らしきところ。
そして、ついさっき黒騎士に槍で刺し貫かれた時の傷は、いつの間にか、無くなっていた。
そして、手を見ると、全く血もついていなかった。
あれほど流血し、血まみれになったのに、それがきれいさっぱり、消えて無くなっていた。
そして痛みなども全く感じておらず、ピンピンしていた。
カトレーダ、ブルース、リディアも、全く無傷で無事だった。しかし同時になんだかキツネにでもつままれたような気分となった。
そしてまた最初に目覚めた時の、スタート地点か…。
って、おい、まさかこれって、同じ話がえんえんと繰り返されていくような話なのかよ…?
その時だった。何者かの気配がする。そしてその何者かの声が聞こえてきた。
「ほっほっほっ、ようやくお目覚めですかな?」
「…!誰だ!?」
僕らの前に現れたのは、一番最初に出会った、あの神父だった。
いや、神父の姿をした、神様と名乗る人物だった。
神様って…。神様っていっても、いろんな神様がいる。
ついさっき現れた黒騎士は、まるで死神のように、そうだ、死神というのは、死をつかさどる神のことだ。
まさか、今度こそ本当に、死後の世界、黄泉の国なのかと思った。
「おい!そこに突っ立ってないで、正体を明かせ!
あんたいったい、何者なんだよ。勝手にこっちの世界に連れてきて…。」
「ぬっふふふ…。そうか。正体を現せといわれたからには…。」
変身!ついに神父の姿から、僕らがよく知る神様の姿になった。
「私はこの世界の全ての創造神にして、唯一絶対の神、ヤーウェという。」
唯一絶対の神だって?そして、この世界の創造神…。
「そうとも!私こそが、この世界の創造神、ヤーウェなのだ!」
ヤーウェとは、教会に奉られている、あのヤーウェ像のヤーウェ神のことか?
待てよ、たしか唯一神教では、偶像崇拝は禁止されているということを聞いたが、まさか、こっちの世界では偶像を作り出すことは可能なのか?
そしてヤーウェは、あることを語った。
「お前たち、よくここまでがんばってきたね。
どうだ?がんばり次第では、現実世界の方に戻れるかもしれないぞ。」
なんだって!?現実世界に戻れるって!?




