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特別編 名家(めいか)の息苦しさ

イザコも、マルシアも感じていた、名家めいかの息苦しさ。


一見するとお金持ちの家で、何不自由なく育てられているように見えるが、隣の芝生は実は青くはない、というのはまさにこのことだ。


ノボル=島内昇が生まれ育った島内家も、まさにそんな名家めいかだった。


とにかく島内家の人間にふさわしい人間になることだけを考えろ、と言われ、がんじがらめの生活を強いられていた。


そして中学、高校に入ると、思春期となり、昇も人並みに恋をする。


しかしその恋は叶わなかった。


中学の時の好きな子は、実は他に好きな相手がいたという。


中学の時になると、ますます勉強、勉強、英才教育で、両親と家庭教師以外の顔を見る機会がほとんどなかった。


友達と遊びに行く機会もなくなっていった。てか、そもそも付き合いのある友達も、いなかった。


そして、高校の時の好きな子は、カトレーダにそっくりな子だった。


カトレーダを一目見た時に、その子のことを思い出した。


しかし両親は、昇をその子に会わせないようにした。


ほとんど監禁にも近い状態に。


その時昇は、こんな親なんか死んでしまえ!と、殺意すら抱いた。


そしてそれは、思わぬ形で現実となる。


両親は昇を置いて、海外に旅行に行っていた。


まさかこんなところで、テロ事件なんか起こらないだろうと思っていた。


ところが、そこに暴走トラックが突っ込んできた。


次々と人をはねる暴走トラック。そして昇の両親もまた、その暴走トラックの犠牲となった。


そして昇のもとに、両親の遺体が運ばれたが、


昇は涙一つ流さなかった。


むしろ、不気味に笑みさえ、浮かべていた。


これでやっと、この息苦しさから解放されると、その時昇は、自分を束縛していた両親を無惨にも轢き殺した、暴走トラックのテロリストに、感謝すらしていた。


もちろん、そのテロリストはすぐに、国防軍によって射殺されたのだが。


その後、昇の家庭教師たちも、次々と、車の事故や不審死などで、一人残らず死んでいったという。


そのうち車の事故で死んだ家庭教師の車からは、ブレーキに細工が仕掛けられていたことが判明した。


血も涙もない冷酷な側面もあった昇。


しかしそれにも関わらず、立件されることはなかったという。


その後、高校の好きな子に、やっと会いに行った昇だったが、


昇に会えなくなってしまった淋しさから、別の好きな相手と恋仲になっていた。


昇は嘆いた。そしてこれも、両親が二人を引き離したせいでこうなったと思い、


「くそったれが!死ねやあっ!」


両親の写真の入ったケースを壁に投げつけた。


そしてガラスが砕け散る。


そして昇は、両親の写った写真を、一枚残らず、焼き捨てた。


これでひとまず、息苦しい名家の生活から解放されたと思った昇だったが、その後、自らがテロリストの乗った暴走トラックに跳ねられ、死亡するとは思っていなかった。


ドガシャーン!


「ぐああっ…!なぜだ…、僕はこんなところで終わるのか…。」


両親の死を喜び、家庭教師たちを殺してきた、その報いがきたのか…。


これで、絶対に地獄に落ちたと、昇は思っていたが、そこは地獄ではなかった。


そして気がついたら、無人島に来ていた。というところから、物語は始まったのだった。


そして、この世界での新たな出会い、イザコ、マルセロ、マルシア、そして、昇=ノボルの高校時代に好きだった彼女にうり二つの、カトレーダとの出会い。


この出会いが、ノボルを大きく変えていくことになるのだった。




ノボル「以上だ。これが僕が今まで語ってこなかった事実だ。」


カトレーダ「そうだったんだ…。そんなことがあったなんて…。

ノボルさんが、私たちと出会ったこの旅は、ノボルさんの過去の罪を償うためのものだったなんて…。」


カトレーダは思った。


カトレーダは、見れば見るほど、ノボルの高校時代に好きだったあの子にそっくりだと、ノボルもまた思っていた。


ノボルたちの旅はまだまだ続く。今度はゴブリン討伐のために洞窟に入る…。


カトレーダ「ノボルさんが言ってましたけど、私って、ノボルさんの高校時代に好きだった彼女にそっくりなんですって。

ですが、ノボルさんを裏切って、平気で新たな彼氏をつくったような人なんでしょう?

私はそれを聞いて、複雑な気持ちになりました。

トラウマとかになっていないのかと、思いました。

それにしても、あんなにご両親に束縛されていたなんて…。」


ブルース「考えようによっては、自分を捨てて、平気で他の男とイチャついているような、

そんな女ならこっちから捨ててやれ!って思うだろうけどな。

けど、セクハラとかDVとか、ストーカー事件とかは、9割くらいは男の方が加害者だというからな。

男というのは、悲しいかな、別れた女に対する未練を、なかなか断ち切れないものなんだよな。」


マルセロ「だから、両親に憎しみを向け、家庭教師の人を事故に見せかけて殺害までした、

その罪を償うために、この世界では、無人島を開拓し、町を建設して、今度は人々のために尽くそうと…。

あれ?だけどそれって、こっちの世界だったら、どうなるんだろう。」


マルシア「こっちの世界の法律じゃ、裁かれないだろうね。

こっちの世界は、法律なんて、あって無いようなものだから。

あと、あっちの世界は、それこそ法と秩序による束縛が多いような、自由とは見せかけだけの管理社会という側面があるって、

実際にあっちの世界からやってきたノボル君が言ってたんだから、間違いないわね。」


イザコ「ノボル君は私の見込んだ通りだ。

きっと、誰も成し得なかったような、とんでもないことを、いずれやってのけるよ。」


ブルース「さーてと!俺たち衛兵は、戦ってナンボだからな。

そろそろゴブリンたちと戦いに行こうぜ。」




お次は、ゴブリンの洞窟ということになるのだが、すんなり攻略できるのかどうか…。



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