無人島でしか採れない果実、魚介類を召し上がる
この話は、いったん本編からは離れて、外伝として書かれた話です。
無人島開拓の醍醐味、それは人によって様々だろう。何年も無人島で暮らしていても、また新たな発見があったりするから、奥が深い。
もちろん、開拓団を送り込んで集落を建設し、開発を進めていくのも、それはそれでいいのだろうが、
どうせなら、この無人島でしか手に入らない、果実を食したり、魚介類を採ったりするのも、また醍醐味だったりする。
今日はノボルは山の中へ。山の中は虫に刺されたりするといけないので、虫除けの薬を塗っておくと効果的なんだそうだ。
念のため、今日はカトレーダと、マルセロ、そしてブルース・ウイルスミスを連れてきている。
「おや?あれは…?」
どうやらこの島にしか生息していない、これは、見た感じはマンゴーの一種であるようだが、
こういう果実とかは、実際に口にしてみないと、わからないところがあるからなあ…。
この果実の色は、黄色というか、オレンジ色というか、とにかく、そんな感じの色だ。
「気をつけないとな、こういう果実の中には、不味くてとても食えないようなものとか、
変な味のもの、毒入りのものとかもあるかもしれないからな…。」
それで、まず最初に誰が味見するかということで話し合う。
まずノボルがカトレーダに持ちかける。
「カトレーダ、どう?」
「えっ!?ノボルさん、いきなりそんなこと言われても…。
ここはマルセロさんが、まず最初に味見するべきですよ。」
カトレーダはマルセロに話を振る。
「えっ!?ちょっと待ってくださいよ。ノボルさんに、カトレーダさん。
おおそうだ!このさいだから、ブルース・ウイルスミスに味見してもらおうよ。」
マルセロはブルース・ウイルスミスに味見するように言った。
「おいおい、なんでこの俺がそんなこと…。
不味かったり、毒が入ってたりしたら、誰が責任とるんだよ。
まず最初に、ノボルがやるべきじゃないのか?」
で、結局誰も味見をしたがらず、ノボルに話が戻る。
「それじゃあ、僕がまず味見をするよ。」
「どうぞどうぞどうぞ!」
ノボルは恐る恐る、その果実を口にいれた。すると、
「…うまい!これは甘くておいしいぞ!
みんな、さっそく食べてみてよ!」
「ええっ!?」
「本当か!?」
「本当なのか!?じゃあさっそく食わせろよ!」
そしてみんなで一人一個ずつ、まず一口ずつ味見をしてみる。ついさっきまでいやがっていたくせに…。
「甘くておいしい!」
「これはおいしいな!」
「さすがだぜノボル、これはもしかしたら、島の名産になりそうだぜ。」
評判は上々だった。そうなると、この果実に名前をつけないといけないなと、ノボルは思った。
「そうだ!この果実は、『キングスマンゴー』と名付けよう!」
「キングスマンゴー!?」
こうしてこの果実は、
『キングスマンゴー』
と、命名されたのだった。
それに続いて、今度は、この島でしか採れない、魚介類を採りにいくことになるのだが…。