ゲド村行こうか?それともゴールドマン?
『ゲド村』、『ヤツハカ教団』、『ミツクビ神』の情報は、すぐさま本国から派遣された使者によって、キングスリング島にも伝えられた。
「して、どうなのだ?」
使者に応対したのは、イザコ・ドルチェだった。
「はっ、今のところは、それ以上の目立った動きは伝えられてはいないようですが…。」
一方で、ノボルも『ゲド村』『ヤツハカ教団』『ミツクビ神』に関心を持った。
この聞き慣れない名前の村と、邪宗教と、それとその邪宗教の神と、
ファンタジー好き、そしてなぜかそこに登場する悪の組織や、それを率いる悪の権化にも詳しいノボル。
そんなノボルが、当然のことながら、興味、関心を持たないわけがない。
ノボルは今度はマルセロ・ハンスと話していた。
「なあ、『ゲド村』『ヤツハカ教団』『ミツクビ神』って、聞いたことがあるか?」
「『ゲド村』は聞いたことがないな。なにしろ、あの村は『ヤツハカ教団』の信者以外には、転入者もほとんどいないような、閉鎖的な村で、
少数の村人と信者以外はそもそも『ゲド村』の存在自体知らなかったというくらいだからね。」
「そうなのか?」
「『ヤツハカ教団』の噂は、僕らが生まれるよりも前から聞いている。
あと、『ミツクビ神』というのは、これがろくでもない邪神でねえ。
だけど、『ミツクビ神』の野郎は…。」
「『ミツクビ神』の野郎!?」
「はるか昔に、俺たちが信仰している『ヤーウェ神』によって、討ち滅ぼされたと聞いているんだが…。」
ノボルは剣術の修行をしながら聞いていた。
この世界には、1つの大陸と、1つの無人島しかない。
だけどもともとは、たくさんの大陸や島が存在していた。
それが、こんな世界になってしまった。
『ヤツハカ教団』と、『ミツクビ神』というのは、この世界が大陸1つと島1つしかない世界になってしまった、
その、そもそもの原因をつくった張本人であると言われているのだ。だとしたら、なぜそのようなことを企てたのか。
そして、それによって消滅してしまっている、いや正確に言えば、消滅してしまっていることになっている、他の大陸や島は、どうなっているのか。
謎は深まるが、ここでノボルが取る選択肢は、2つあった。
「このまま、ゴールドマンと戦いに行くか、あるいは、ゲド村の方に行ってみるか…。
別にどちらから選んでも、どのみちどちらもやっておく必要があるんだけどね…。」