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日和村事件 記録概要

 今作は前回の第一部の続きに当たる作品です。前回同様の連続投稿という形を取ります。よって今回も前書きや後書きが丁寧ではありません。予めご了承ください。

これは香川県の極端な過疎が進む地域で起きた、きたとある大事件の全容を知るとある人間の体験談から構成した物語である。舞台となる村の名前だが、日和村と書いて(ひよりむら)と読む。香川県の中でも北部に位置している邑落だが、海沿いではなく、山間の奥地の閉ざされた場所で、名産品は瀬戸内の気候を生かした、柑橘系や野菜などである。人口は400人ほどで、面積の殆どを農地か森林が占める。特に町の東側の国有林は非常に広大で、隣の市に跨っている。当然この村に建造物は少なく、観光客も滅多にいないため、町は何時も閑静でどこか物淋しい。過疎化が目立つという事もあり、町には活気が無く、人口の大半が老人であるため、学校も村外にある。村の小中学生は公立でもバスや電車で通学している。5年前までは...

 ところが、そんな集落の状況が変わったのはこのような田舎の山里を味わうツアーを某旅行会社が企画したことがきっかけである。観光客は一気に増大し、京都、大阪、神戸から都会の空気に疲弊した旅行客が憩いの場を求めてやってきた。山里の風景を求めて外国人まで訪れる一大観光地に成長した。なけなしの名産品をゆるキャラや体験ツアーを利用して最大限PRし、近年その注目度はさらに増している。相変わらず老人が多く、学校も無い物淋しい地域だが、幾つかのイベントや事業のお蔭で以前よりも活力のある村になった。


  そしてこの出来事の告白者、体験を私に語ってくれた人物のプロフィールを紹介する。

氏名:波多野 みやび

性別:女性

年齢:35歳

職業:公務員 市役所勤務

身長:165cm

体重:49kg

血液型:B型

出身:広島県 屍生島

物語当時の職場:広島市役所


  他にも私の目から見た彼女の特徴を幾つか挙げよう。性格は非常に感情豊かで、表情のバリエーションも豊富で気さくな人柄である。話し方も丁寧でハキハキしているため、初対面の時も大変接しやすかったことが印象に残っている。上記の島の出身だが、生計を立てるために広島大学で経理を専攻し、職場でも会計や事務を担当する。努力家でやり手の一面もあり、女性ながら、単身赴任で子供を島に残して一人で一家の家計を支える大黒柱でもある。家族は屍生島で漁業を営む自父とその後継となった夫と二人の娘で、この他に独身の兄が居る。因みにこの波多野という名前は夫の方の苗字である。


  この物語は完全に彼女の告白を元に作られているが、論理と順序の都合で私と彼女の憶測が入ったり、彼女の視点を利用しながらも三人称的な描き方をする。また他の住民に関しては詳しく触れない人物もいる。それはプライバシーの問題、特に重要でない人間、彼女も私も対象の名前を知らないのいずれかである。

 一般的にこの事件は『日和村生物兵器漏洩事件』と呼ばている。警察や周辺の関係者は黙秘を一貫し、情報の殆どは非公開で会ったり、抽象化されている。その中でも数少ないの生還者であり、積極的に事実を告白してくれた彼女、波多野氏に私は感謝する。繰り返しになるが、この物語は世間には公表されていない今は封印された村の事件の経緯を彼女の体験と私の憶測による物語で構成するものである。都合上、三人称視点の物語として展開していく。実名の公開は一切なく、この話の主人公である波多野氏の事は「雅」他は臨時で決めた名字で呼び、著すことにする。波多野氏の証言に基づくものだが、一部には記憶違いや、まだ発覚していない事実と異なる描写が含まれるかもしれない。しかし、それは私や彼女の知見を超越する範囲の話である。それほどにこの事件は一般を逸脱しているのだ。想像に難い話であり、ジャーナリストである私の文章でも言い表せない内容が多い。予め御容赦願いたい。 

                  日和村事件 序文 ジャーナリスト 竹島 兆


 

 読んで頂ければ理解できると思いますが、今回は前回の作品と時間軸が繋がっています。そして謎に私が出しゃばります(笑)

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