インタールードー別れーⅡ
「この星が創星された時から永き刻を経て結晶化された星霊結晶。そして同じく星霊銀――あなたたちが希少だという精霊銀の上位鉱石よ。数多在った私の転生体の一枝だからって、日向が居なければ女神であり、始祖星霊で女王の私がこんなサービス滅多にしないんだからね。覚えておきなさい!」
前屈みで腰に手を当て、もう片方の手は私に向けて人差し指を立てながら忠告してきた。
「解っているわよ。フォルトゥーナが関わっていて、この世界の住人である者たちが、この世界の命運を日向に押し付けようとしているからでしょう。勘違いも己惚れてもいないわよ。転生した時に言ったじゃない。天の才は簒奪をするものだって。ならば自分の運命、果たすべき宿命は自分で切り開くわよ。運命が邪魔をするなら斬る。たとえ、それが茨の道であっても道があるなら歩んでやる」
私は女神に対して尊大な態度で――
「だから、それを私に寄こしなさい」
「フフ、女神に対して大きく出たわね。言ったわね。そう来なくっちゃ面白くない。ただし、女神に対して尊大な態度とその言葉、言質は取ったわよ。その在り方、ゆめ、忘れることなかれ」
ミカの説明によれば時空の岩戸を開くには天帝アマティラスを喚ばなければならないという。この太陽の女神はヒキニートだという。ただ、軍神として喚び出すことが出来たなら何があろうと、日向を元の世界に戻してくれるという。
「フフ。さぁ喚び出してみなさい。造り出してみなさい。武器収集家でもある軍神としての側面、ソレイフィアとしてアイツを目覚めさせてみなさい。あ、オタクだから使う用と飾る用を作りなさい」
「真打と影打って言いなよ……」
「あと、影打ちなら布教用とかも必要だよね」
「仕方がないわね」
もう一セット取り出した。
「じゃあ最初は手伝ってあげる。日向、この娘に何がおきても手を出して妨げる事は許さないからね。貴女にも覚悟をしてもらうわよ」
星霊結晶と鉱石を鍛えるには神炎と神水が必要だという。
ミカが手伝うと言ったのはそれを用意してくれるということだ。
「あぁ、それとこれを一息に飲みなさい」
そう言って渡されたトロリとした液体。
「……」
早くしろ、とミカが圧を強めてくる。日向は金縛りにあったかのように動けず喋れず、その表情には不安と私を心配している様が浮かんでいる。
私は意を決して液体を一息に呷った。




