ラライヴシティ
さて、 仲間が2人増えたところで、 だ。
建前、 立場上魔力討伐を行わねばならんのだが、 一般RPGでは次にすべきこととは……。
即ち武具。
「武具……ですか。 そうですね、 この辺りで盛んな街と言えば『ラライヴシティ』ですね」
仲間の1人、 トリックスターの異名を持つロキが提案した街、 ラライヴシティは、 ロキと同じく神が存在する街らしかった。
「武具系統の神、 といったらヘパイストスか」
「お見事」
丁寧に頭を下げ、 称えるロキ。
……神に称えられるってーのも悪くない。
「うし、 一丁そこで武具を揃えっか。 行くぞ、 ロキ…………とルル」
「――――絶対忘れてたでしょっ!」
そう訴えてくる少女は、 残りの仲間、 獣人種のルルだ。
獣人種というのだから、 勿論ケモ耳だ。
「忘れてねーよ……多分な」
「なんでッ! なんで最後が濁るのっ!?」
「だーーーっ! うるせっ」
「騒がしいぞ、獣。 身の程を知れ」
いや、それは泣いちゃうよ。
言い過ぎ。
「……取り敢えず、 そのラライヴシティに向かうぞ。 んで、 ロキ。 そこにはどうやって行ける?」
「そうですね……テレポーテーションで行けない事はないですが……」
「却下だ」
テレポーテーション?
あほか。
ここは異世界だぞ。 満喫せずに何をしようか。
そんなにホイホイ次の街に行けたんじゃ楽しくない。
「一般に馬車ですかね」
と、言うことで。
「……え? 」
「どうかされましたか? 主よ」
「……あんた、 馬車って言わなかったか?」
「ええ」
「これがッ!?」
俺の目の前にあるのは、 俺の知っている馬車とは程遠いものだった。
大きさは大きめのバス程。
左右にはペガサスらしき生物が搭載されており、 彼らの翼が今かと羽ばたこうとしていた。
「馬といっても天馬ですが」
そして、 忘れかけていた重要な点に至る。
そうか、 ここはやはり異世界なのか。