デス・シューティング2
『右門に二匹、 高さ158、 171』
「りょーかい、 ニルヴ」
言われた場所に銃口を向け、 対象の存在が現れるまで息を潜めて待つ。
『3……2……1……』
「ばん」
竜人種特有の遠視により、 遠くの場所を見渡し、 発見した対象を俺に報告。
タイミングを合わせて射撃する。
連続して俺の銃口から放たれた弾丸は、 見事にヘッドショットを成功させた。
アトラクションの一種だからか、 倒された対象からは一切の血は流れずに消滅する。
そして、 腕に青白い光で『50』と記される。
どうやら、 消滅させた際のポイントが記されるようだ。
「よし、 次だ」
『任せておけ』
玩具の銃を、 宛らスナイパーの如く使って見たものの、 思っていた以上に上手く行くことが出来た。
俺達の今回のバトルにおいての強み、 それは『ポイントの共有』だ。
仲間が倒した事で得られるポイントは、 全てチームとしてのポイントとなるので、 言わば4対1だ。
なので、 第一の作戦として2つのチームに分かれることにより、 効率化を測ることにしたのだ。
ルルとロキ、 ニルヴと俺の二手に分かれる事となり、 現状に辿り着く。
周りに気を配りつつ、 的確にターゲットを撃つ。
『……リョウ』
そして遂に、 見つけることが出来た。
「……ヘルか?」
『そのようだ……』
俺も千里眼を発動させ、 ニルヴが指を差す方向を見やる。
距離にして約100m前後と言ったとこだろうか。
因みに、 実験結果から射程距離は約50m。
降下地点が42m地点だとわかっているので、 この距離間が空いていてはこちらから狙撃する事は不可能に近い。
それは即ちあちらも同じという事。
だが。
「……みーっつけたぁ!」
ヘルは、 こちらの存在に気付くとそのまま両手に持つ二丁の銃口から発弾させる。
『マズイ、 リョウ! 』
瞬時に伏せ、 建物のフェンスでガード出来たが……。
「まじかよ……」
ヘルの弾は、 跳躍性すらなかったものの……とてつもない射程距離だった。
近づく前に撃たれてしまう。
「どうする……?」
『リョウ! 一旦退避しよう』
残り時間が40分を切った段階で……。
その場を脱兎の如く素早く移動した。




