デス・シューティング
「さぁ~って、 ルール説明は終わった事なのでぇ……そろそろ始めたいとおもいまぁーす」
グッと伸びをし、 指を鳴らすと、 俺達各々の手元には、 玩具の様な銃らしきものが現れる。
プレイヤー事に色が違い、 俺が黒、 ロキは紫、 ルルが赤、 ニルヴが青だ。
「今から皆さんを、 このフィールドの反対側まで転移させ、 30秒たったらスタートになりまーす!」
フィールドの丁度真ん中の上空に、 ヴィンと音を立てて現れたのは、 恐らくタイムリミットを示す時計のようなものだろう……。
だが、 俺は字が読めないので何と書いてあるかは分からん。
「それじゃあ、 行きますよぉ~っ!」
斯くして、 俺達の運命を掛けたデス・シューティングが始まった……。
「ふぅ、 まずは情報を集めるぞ」
俺は、 一発適当に打つ。
着弾した先で、 放った弾は、 少し煙を立てて消滅した。
「ふむ、 跳躍性はナシ……ルル、 ちょっと貸してくれ」
俺は、 ルルの銃に手を伸ばす。
「あ、 はい」
素直に渡そうとするルル。
そして、 俺が銃に触れるが……特には起こらなかった。
「他人の銃も扱える……」
そして、 それぞれ一発ずつ放って貰うと……。
「ルルのだけ跳躍性アリ……、 回数2回」
なんと、 ルルの銃から放たれた弾は、 2回跳躍して消滅した。
そして、 他人の銃は触れる事は出来るが、 引き金を引く事は出来なかった。
つまり、 今回のカギはルルにある。
「次は能力的な問題だが……どうだ? ニルヴ」
『問題なく飛行は出来る……だが、 どうも身体が重い』
制限規制がかけられていることは間違いないな。
「ロキ、 魔法はどうだ?」
「…………何も使えませんね」
ほう、 これは重要だろうな。
身体能力の規制アリ。
魔法は不使用。
跳躍性は、 一つのみアリ。
そして、 ヘルの銃はどちらなのか……だ。
ヘルの銃から放たれる弾は跳躍性があるのか、 ないのか。
これは戦闘になる前に知っておくべきだ。
「ニルヴ、 上空からヘルの偵察……と、 思ったけど」
『うむ、 我はリョウから離れられん』
「なんで嬉しそうなんだよ……」
セリフだけ聞けば申し訳なさそうだが、 表情は満足気にニンマリしている。
「よし……ヘルには見つからない様に用心して探索するぞ」
「「『おーー』」」
----その頃ヘルは……。
ジェットコースターらしき建物の線路の最高到達点に立ち、 辺りを見渡していた。
「ふ~む……いきなり攻めて来ると思ってたけどぉ」
そりゃ反対方向まで飛ばされれば、 人間はどうしようもない。
そして、 ヘルクラウドに鳴り響くバトル開始の合図と共に、 あちらこちらの地面から無数のゾンビが這い出てくる。
「さぁ〜って……楽しませてね☆」




