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02,時雨さん、刈り取りです。


 夢の中でお風呂に入ったり、トイレを使ったりするのはとても新鮮です。

 夢が覚めた時がちょっと怖いですが、怖がってばかりいたら何もできません。

 女は度胸といいますし、ここはどーんとやっちゃうことにしました。


 でもトイレにトイレットペーパーがなかった代わりに葉っぱが置いてあったのはちょっと考えました。

 ふわふわの葉っぱで触り心地はとてもいいんですが……。

 あ、そうそうこのおうちのトイレはウォシュレット完備です。

 それにかなり助けられました。私の夢グッジョブです。


 お風呂から上がったらもう大分眠くなってしまいました。

 夢の中で眠くなるなんてすごい夢です。ですが眠気には逆らいづらいのです。

 特に体が8歳ですからね。お子様はおねむの時間なのですよ?







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 私は今素敵な体験をしています。

 夢の中で夢から覚めるというとても器用な体験です。不思議ですねぇ~。


 寝室には小さな私サイズのベッド。

 やっぱり私サイズのクローゼットにちょっとだけ大きめの机と椅子があるだけです。

 クローゼットの中にはなんと衣装が3着も入っていました。

 始まったばかりの状態のフェアリアル・ファームではクローゼットの中には衣装は入ってないはずなのですが、着替えがなかったら大変ですよね。


 3着の衣装のうちの1着はパジャマでした。

 何かの花の柄のパジャマでとても素敵でした。

 ちなみに衣装1着に付き肌着などもワンセットついています。下着は毎日取り替えたいのでありがたいです。

 パジャマから最初から着ていたエプロンドレスの色違い――最初は青、今回は薄い緑です――に着替えました。

 昨日は着替えがあるのに気づいたのが遅かったので洗濯できなかったのでそのままにしておいた青いエプロンドレスと下着を持ってお風呂場からタライと洗濯板と粉洗剤を持っていきます。

 そう、お洗濯です!


 残念ながら冷蔵庫やお風呂はあっても洗濯機はなかったのです。

 でも私1人分の洗濯物ですからすぐ終わると思います。


 タライに水を入れる前に顔を簡単に洗って気持ちをシャッキリさせます。

 夢が覚めてしまいそうなほど冷たい水で洗ったのでばっちり目が覚めました。あ、でもまだ夢の中ですね。変な表現でした。


 タライの水は冷たい水ではなく、ちょっと温かいくらいの温度に調整して洗濯板にこすり付けるように洗濯を開始です。

 初めてやりましたがさすが夢の中。

 粉洗剤を少量振り掛けて洗濯板にひと擦りするだけであっという間に綺麗になってしまいました。


 洗濯も畑と一緒なのか洗濯板に擦りつける前に半透明の画面が出てきて汚れ度が表示されるんです。

 ひと擦りするだけで汚れ度10%だったのが0%になったのです。便利ですねぇ~。


 あわあわのタライの水は水道に付随している下水に流して、新しい水を入れて洗濯物を濯いでから絞って完了です。

 あ、でも洗濯籠が必要ですね、これは。すっかり忘れていました。

 ログハウスに戻ってリビングを見回すと隅のほうにちゃんとありました。


 絞った洗濯物は出口の柵を正面中心として左半分が畑と水道なので、右半分の何もないスペースで干す事にします。

 でも肝心の物干し竿がありません。


 でもちょっとログハウスの横の柵との間を覗いてみるとそれっぽい木の棒が立てかけてありました。

 Y字になった木の棒が2本とまっすぐな棒が1本です。

 うん、物干し竿に間違いなさそうです。


 1度ログハウスの玄関前の板張りの部分――なんていう名前なのでしょう?――に洗濯籠を一旦置いて物干し竿の設置に取り掛かります。


 3本の棒は1本1本が重そうに見えたのですが持ってみるとそうでもありませんでした。

 さすが夢の中です。いきなり力持ちになってしまいました。あ、もしかしてこの棒達が軽いだけ?


 とにかく設置です。


 まっすぐの棒の長さよりも少し短い幅にY字棒を立てます。

 一応鍬も用意したのですが試しに棒を地面に差してみるとみるみるうちに減り込んで行って何もしなくてよかったのはびっくりしました。さすが夢ですね。

 こんな感じにあっという間に物干し竿の設置は終わってしまいました。

 高さも私が洗濯物を干すのにちょうどいいですし、これでばっちりです。


 ハンガーにエプロンドレスをかけて、下着や肌着はちょっと恥ずかしいですがそのまま干しました。

 周りを見回しても人っ子1人いませんし。

 ちなみに洗濯バサミは洗濯籠の中にいくつか入っていました。これで風で飛ばされる事はなさそうですね!


 一仕事終えたのでそろそろ朝ご飯ですね。

 献立はいっぱいあるパンと燈の実です。朝は少食なのですよ。でもしっかり食べないと元気が出ません。


 ちなみにこのパンですが、ふわふわの白パンです。

 バターやジャムがなくても美味しいです。



 さて朝ご飯も食べ終わったし、食器も片付けました。

 洗濯物も干してあるし……あ、歯磨きしてませんでしたね。


 さぁこれで準備はばっちりです。

 今日は何をしようかな。


 一先ず洗濯物に忙しくてあまり見れなかった畑を見に行ってみましょう。

 畑には昨日無天花を10枠分植えたばかりです。

 水遣りは1回だけでいいのですでに終えていますし、あとは育つのを待つばかり。

 ゲームでは3日で収穫できるのですがどこまで成長したのかな?


「おぉ~ちゃんと育ってる~」


 小さな畑10枠分全てできちんと芽が出ていてしっかり成長していました。

 1日で芽が出るんですねぇ~すごいです。3日で収穫だからそうじゃないと間に合わないのかな?

 嬉しくて水を追加であげたくなりますが、ここはぐっと我慢です。

 何せ水遣りは1回でいいのです。これ以上あげたら腐っちゃうかもしれないですからね。

 虫もついていませんし、雑草も生えていないようです。

 ゲームでもそういうのはなかったからないのかも? でも毎日きちんと見てあげるようにしないといけませんね。


 あと2日で収穫です。楽しみですね!


 ずっと畑を見ていてもよかったのですが、今日やるべきことがあったのを思い出しました。

 フェアリアル・ファームで2日目にやるべき事。

 それは……ログハウスの裏手にある牧草地帯で牧草を入手する事です!


 厩舎兼納屋に鎌があったのはこのためなのです。

 さっそく鎌と籠を持って牧草地帯に出発です。


 ……出発といってもログハウスの裏手なのですぐ着きましたけど!


「これは遣り甲斐ありそう~」


 牧草はびっくりするくらいのび放題です。

 私の背丈くらいの高さまで牧草がのびていて今日中にはとてもではないですが終わりそうにないですね。

 では少しずつやっていきましょう。毎日少しずつでも刈り取ればいつかは牧草地帯としてきちんと使えるはずです。


「さぁ行きますよー!」


 気合の入った声を目の前に立ちはだかるのび放題の牧草に向かってかけて、鎌を振るいます!


 ……わぁ、さすが私の夢ですね。


 一振りした鎌が牧草に当たった瞬間、牧草は私が両手で抱えられるサイズくらいの牧草の束になりました。

 もちろんその束に合う面積の牧草がなくなっていました。


 これはすごいです。

 なんとも言えない快感を感じますよ!


 嬉しくなってしまった私は鎌をどんどん振るいました。

 おかげで牧草地帯の半分くらいを刈り終わった頃には牧草の束がたくさん出来てしまって……どうしましょう?


 こんなにいっぱい納屋に入りません。

 必要な牧草も10束もあれば十分なのです。どうみても10束ではきかない数の牧草の束なのです。


 ……一先ず動物のいない厩舎にも入れておきましょう。動物を購入するときに場所を作ればいいんです……きっとそうです。


 持ってきていた籠に一抱えもある牧草を入れると見る見るうちに牧草が見えなくなりました。


 えっ、なんですかこれ。

 あ、でもフェアリアル・ファームの籠の中には結構いっぱい物が入ってました。きっとそういうことですね。


 牧草は全部で10束入りました。

 これ以上は無理なようです。

 でも10束も入れば運ぶのにすごく便利です。重さも空の籠と同じ重さという便利さ。さすが私の夢ですね!







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 牧草を籠に入れて厩舎に積んで行く作業はお昼までかかりました。

 かなり頑張ったと思います。

 汗もいっぱいかきましたのでお昼ご飯の前にお風呂に軽く入ってきました。

 お昼ご飯を食べたらまた洗濯ですね!




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