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使えない女

 まだ遊びたそうな息子に声をかけ、昼ご飯を食べていないことを理由に、公園からでた。


 二人の主婦は、形式的に挨拶をして、また子どもと砂遊びを再開していた。


 疲れた子供をベビーカーに乗せ、私は今すぐに消えてしまいたい気持ちで、急いでアパートまで帰ることにした。


 中学生らしい男子の集団とすれ違う。


 今日は、帰りが早いな・・・。


 テストか何かだったのだろう。


 その中の一人と目が合った。


 少年は、すぐに目線を避け、男子の軍団に参加した。


 いつか、この子も中学生になる。


 あんな風に、たくさんの友達に囲まれて、楽しい学校生活を送ってくれたらいいな。


 そんなことを考えながら、先を急いだ。



 急ぎ足でベビーカーを押しながら、振り返ってみると、さっきの少年とまた目が合う。


 少年は、慌てた様子で目線をそらす。


 なんだろう・・・?


 まさか。


 中学生の中にも、子供に性的な魅力を感じる子がいるとか聞いたことがある。


 十分気をつけなきゃ・・・。


 私は少しぞっとしながら、下り坂をベビーカーに気を使いながら下りて行った。


 子供はすやすやと、気持ち良さそうに眠りに落ちている。



 今日も出血は止まらなかった。


 朝から貧血で、体が動かない。


 昨日、張り切って公園へ行ったからかもしれない。


 旦那は面倒臭そうに、私を一瞥し、さっさと仕事へ行ってしまった。


 起きてから、何も食べていない子供に、おにぎりを作ってやる。


 嬉しそうに、それをほおばりながら、お気に入りのビデオを見始めた。


 私は、その1時間程度の短い時間、また横になって休むことにした。



 体が思うようにならない時、誰かに助けてほしいと思うことがある。


 そんなときは、前もって旦那に言わないといけない。


 または…


 前の晩に、旦那の道具にならなければいけない。


 しかし、現在の私は生理中で、旦那自身が、出血している妻を抱くことを嫌がるのだ。


 そのため、今日私はいくら体がだるくても、子育てから逃げることができない。


 女は損な生き物だなとつくづく思う。



 昨日の彼女たちは、どうしているのだろう。


 私のように、出血が半月続いたり、体調を崩したりしない健康美人なのかもしれない。


 そういう女性だったら、旦那も幸せだろうな。


 うちの旦那は、こんな出血女と一緒にいて、不幸だったな。


 したい時にできない。


 体が弱くて、使えない女。


 こんな女と結婚して、後悔してるに違いない。


 そうでなければ、きっと、もっと優しくしてくれるはずだから。

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